NHKテキスト 『100分 de 名著』 フランクル『夜と霧』
2013年 04月 15日
NHKのサイトは → 8月の名著『夜と霧』 動画もあります。解説なさっている先生がイケメン!!!番組を見逃したことをマジで後悔しました^^;
恥ずかしい話ですが白状します。ワタシったらどうも「文学」が苦手でして、大学でも独文科系は避けておりました。ドイツ語の仕事をしているくせに、有名なドイツ文学はあまり読んでいないという恥ずかしいヤツでございます。仕事で必要だと分かると、慌ててアマゾンで注文して急いで読むという付け焼刃の繰り返し。蓄積がないので知識も薄っぺらです。ハイ、認めます。
そんなワケで、この「夜と霧」も原書はおろか、翻訳本も読んだことはなかったのでした。この解説テキストって、そんなワタシのためにあるんとちゃうかーと思えるほど、詳しい内容で目からウロコ。冒頭を引用させていただきますね。
以下、NHKテキストから引用:
『オーストリアの首都ウィーンに生まれたフランクルは、「生きる意味とは何か」を追い求めて精神科医になる。第二次世界大戦でナチス・ドイツによってオーストリアが併合されると、ユダヤ人であるフランクルも1942年に強制収容所に送られ、みずから生き地獄を体験すると同時に、極限状態に置かれた人間たちを目の当たりにした ― その記録が「夜と霧」である。』
テキスト内で、「夜と霧」が引用されていますので、それをさらに引用させていただきますね。
『ここで必要なのは生命の意味についての問いの観点変更なのである。すなわち人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。そのことをわれわれは学ばねばならず、また絶望している人間に教えなければならないのである。哲学的に誇張して言えば、ここではコペルニクス的転回が問題なのであると云えよう。すなわちわれわれが人生の意味を問うのではなくて、われわれ自身が問われた者として体験されるのである・(「夜と霧」霜山徳爾訳 みすず書房、183頁)』
はっと考えさせられたのは、「人生に期待する」のではなく、「人生がわれわれに求めていることに、どう応えていくか」ということ。これまた恥ずかしい話ですが、実生活でいろいろトラブルなどがありまして、ワタシったら「どうして私の人生はうまくいかないんだろう」といった考えに陥りがちなのです。それだけに、「人生から問われていることに対し、全力で応える」という発想は新鮮でした。「気の持ちよう」とか、安易な「プラス思考」とは次元がまったく違う気がしちゃうのです。
これはどうしても原書で読みたい!と思い、昨日さっそくアマゾンで注文しちゃいました。日本のアマゾンでも洋書の在庫がある場合があるんですね。ドイツのアマゾンで頼むより安いし速いので、さっそくポチりました。2000円ちょいです。
訳書のほうは、図書館に予約しました。1950年代に出た版と、最近出た新訳の両方ともです。予約がたくさん入っていたので、私の番が回ってくるのはかなり先になりそう。