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旧東ドイツのコーラ「Vita Cola」

 先日チラッと書きました。DDR(旧東ドイツ)のコーラ、「Vita Cola (ヴィタ・コーラ)」。DDR博物館で買ったのでした。割ったらアカンと思い、Tシャツやタオルにくるんで大事に持ち帰ったのです。そして先日、味見してみました。

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ヴィタ・コーラってナンジャラホイ? → ドイツのWiki およびメーカーのHPを読みましたところ、旧東ドイツにおいて第二次五か年計画の一環で1956年から1958年にかけて開発されたコーラ飲料だそうです。アメリカのコカ・コーラに対抗したんだそ~ですよ。主な材料はカフェイン、コーラ・ナッツ、ビタミンC、シトロンオイル(でいいのかな?それともシトラスオイル?レモンの皮を絞ると採れるオイルだそうです)、そしてバニラ。ワタシ、コーラ・ナッツって知らなかったのですが、コカ・コーラも当初はこれを入れていたそうですね。アフリカ原産の木で、その実を利用したことから、飲料も「コーラ」と名付けられたそうな。初耳~。まず化学企業の研究者がコーラ飲料の製造法を開発、特許を申請します。その際に届けられた名称が「Coffeinhaltige Brauselimonade mit Frucht- und Kräutergeschmack unter Zusatz Vitamin C(ビタミンC入りフルーツ&ハーブ味のカフェイン炭酸飲料。長いっ)”。そして1958年10月、ライプチヒの醸造所(のちのVEB Sachsenbräu、国営企業“ザクセン醸造”)によって製造が開始されたんだとか。コーラ味の飲み物は、DDRっ子たちのハートをわしづかみ。

…ところがベルリンの壁が崩壊。東西統一により一旦は製造中止に追い込まれます。でもその後別会社がブランドを引き継ぎ、紆余曲折を経ながらも現在に至るまで「ヴィタ・コーラ」は健在だそ~です。特徴ある味が西では「薬臭い」と敬遠されたんだとか。それを受けて合成の香料から天然の香料へ変えたものの、基本的な製造方法は開発当時と変わらないんだそ~です。DDRのコーラというと、「Club Cola」が有名ですが、ヴィタ・コーラのほうが先に開発されたんだそうな。

…で、気になるお味はと言いますと、レモンの香りがかなりしました。甘さがかなり控えめ。喉が渇いているとき、グビグビ飲むのにいいかも。DDRの若者たちは、このコーラを飲んで育ったのかな~なんて想像しながらお味見しました。もっとも、私の知人は東欧でゲットした本物のコカ・コーラの缶を床の間っぽい場所に飾って大事にしておりましたが…^^;

 なお、ワタシの愛読書「ニセドイツ」の2に、DDRコーラの項があります。それによると、今の元DDRコーラと、当時のDDRコーラは味がまるきり違うとのこと。でも、製造方法は当時と変えていないとの話。だとすると、当時使われていた合成香料がよっぽどヒドかったのか、あるいは原材料の質が悪かったのかも。それらが今は格段によくなったので、その結果お味もよくなったのかな~なんて、ヴィタコーラの空き瓶を見ながら想像してしまいました。嗚呼、奥が深し。


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by Alichen6 | 2012-11-23 15:42 | ドイツの食べ物

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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