1985年5月8日、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領の演説 (2010年5月の拙宅記事より)

 今日、5月8日はドイツにとって忘れられない日です。3年前に書いた日記を思い出し、久しぶりに読み返しました。ワタシの日記自体は大した内容でもないのですが、ヴァイツゼッカー元大統領の演説は、今読んでも感動的。今、この時期だからこそ私たちも読んだほうがいいのでは~??と思い、再掲いたしました。もしご興味がありましたら。

Es geht nicht darum, Vergangenheit zu bewältigen. Das kann man gar nicht. Sie läßt sich ja nicht nachträglich ändern oder ungeschehen machen. Wer aber vor der Vergangenheit die Augen verschließt, wird blind für die Gegenwart. Wer sich der Unmenschlichkeit nicht erinnern will, der wird wieder anfällig für neue Ansteckungsgefahren.

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(以下、2010年5月10日の日記です。当時は試聴できた当時の音源が今では再生できなくなってしまったので、それは削除いたしました。ガックシ。なので原稿のみです。)

 先日、5月8日はドイツにとっては忘れられない1日でした。第二次大戦において、ヨーロッパの戦争が正式に終わった日です(降伏文書に調印したのは、前日7日だそ~ですが)。終戦から40年経った1985年5月8日、当時の西ドイツの大統領だったリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー氏が歴史に残る演説を行ったことは、すご~く有名なので、ワタシが今さら書くのもおこがましいと思いつつ、ご紹介させてください。「過去に目を閉ざす者は現在においても盲目になる」として、過去を直視することを勧めたくだりはチョ~有名ですよね。

1985年5月8日、ヴァイツゼッカー大統領の演説 → コチラ

演説の日本語訳 → コチラ

この4月に90歳になった「Staatsmann」のニュースを見つけました。冒頭にシュミットさんやゲンシャーさんも映っています。懐かしいっ



ドイツの良心と呼ばれるのが理解できるような気がします。こんな偉大な政治家がいるドイツが羨ましい・・・ ふと我が国を見ると・・・015.gif

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Commented by ありちゅん at 2010-05-10 21:15 x
自分でコメしちゃいます~ こうして聞いてみると、発音が明瞭で聞き取りやすいし、何よりも上品。大学生がドイツ語を勉強するのに、これに勝る教材はないんじゃないかと思っちゃいます。85年といえば、ワタシはまだ学生だったのですが(トシがバレますが)これが教材に使われた記憶がありません・・・。ネットが発達している今と違い、当時は原稿ですらすぐに入手するのは難しかったのでしょう。ましてや映像を教材に使うなんて無理だったかも・・・。家庭用のVHSもまだまだ普及していなかった時代だし。
Commented by ありちゅん at 2010-05-10 21:23 x
さらにコメしちゃいます~ 有名な「過去に目を閉ざす者は~」のくだりは、14分10秒あたりでございます。映像で見ると、文章を読むより感動が大きいですね・・・。
Commented by spatz at 2010-05-11 08:59 x
うっうっうっ…(嗚咽)私もこのあたりのテーマは気持ちをわしづかみにされるかのように心揺さぶられちゃうの~
書きたいことは山ほどあるんだけどパソコンあけられないのでちょっとだけ。私も学生でした。ソ連がなくなったときの驚きもたしか大学生のときだった。
激動の時代を越えてきた方々ですね。ワイツゼッカーも抵抗運動をしていて例のヒトラー暗殺事件も関係、あったんだって(結局実行する段階では関与しなかったけど)弁護士としてナチ時代の罪をとわれた父親(だっけ?)弁護したときのロープきた若い写真も有名だよね。演説は学生時代カセットブック聞いてました~
Commented by Alichen6 at 2010-05-11 09:32
★シュパちゃ~ん 映像を教えてくれてありがとね♪ 私、この演説の原稿をどこで読んだんだろう・・・?NHKのテキストにも少し載ってたような気が。あれ?違ったかなあ。だけど冒頭を聞いてすぐ思い出したので、やっぱり全文読んだ記憶があります。歴史に残る名演説ですよねー 真摯に過去に向き合い、自国を正当化することもなく、自虐的でもない。思いやりにあふれ、偽善のかけらもなく。今のドイツも様々な問題に直面しているでしょうが、70~80年代のドイツは、今とはまた違った形の問題をたくさん抱えていましたよねーー ただ傍観者として見ていたワタシが言うのもナンなのですが、それでも傍から見ていただけに、いろいろ感慨深いものがありますな~ トシを取るのは悲しいけど、こうした時代を一緒に見られたというのは、ドイツ語ほにゃく者としてよかったかなーとも思います。
Commented by spatz at 2010-05-12 14:31 x
奥が深すぎるテーマです。この時代と現在とはまた全く状況がかわり、経済危機ともあいまって右翼が票を集めてますよね。「過去に目を閉ざす者は…」の精神はどこへいったんだろう?同時に、この演説は我々は(一応)「当事者ではない」から素直に感動できるという側面も忘れてはならないのでしょう。「罪から目をそむけない」ということがいかに難しいことか。コール首相の「後から生まれたものの恩恵」という言葉をみなさん御存じでしょうか?この演説と好対照をなす言葉だと思います(Gnade der spaeteren Geburt)。つまり「直接罪を犯していないあとの世代はナチスの罪とはもう関係ない」という思考。あと「Schlussstrich ziehen」という言葉も。「もういい加減にしようじゃないか。いつまでもナチスの過去を引きずらなければならないのか」。一般の人々の率直な心情でもあると思うんですよ。難しいところです・・・(このあたり卒論で書いたんです)
Commented by spatz at 2010-05-12 14:33 x
Weizsaecker のdie Rederとそれをとりまく時代と環境については、たくさんの資料があると思うんですが、ちょっとぐぐってでてきたものをURL欄に貼ります(ジョルダーノの有名な書「第二の罪」について書き起こされてます)。ジョルダーノはSpiegel読んでいても今も、過去の克服関係のテーマではよく「読者の手紙」欄とかで積極的に投稿してるのが見て取れるのです。
Commented by ありちゅん at 2010-05-13 07:30 x
★シュパちゃん コメントありがとうございます~ さすが!シュパちゃん詳しい! サイトのご紹介もありがとうございました。まだざざっと読んだだけなのですが、これは学生さんの卒論なんですね!分かりやすくて感心してしまいました。ちょうど昨日、mixiでイマドキの学生が卒論を携帯で書く、という見出しを読んでおったまげたばかりです。ドイツの戦後って68年問題とか、イロイロありますよね~ 紆余曲折を経ながらも、やっぱりナチの影を引きずっているという気がします。皮肉なのは、あれだけ徹底的にナチの犯罪を裁き、過去から目をそらさずに清算してきたドイツで右翼が台頭していること。「ドイツ人もまた、ナチの被害者だった」といった考えがベースになった映画もチラホラ増えてきたような気もします。コールさんの「後から~」は知りませんでした(恥) 自虐的と思えてしまうほど、徹底的に過去と向き合うぅことを強いられると、その反動も出てきてしまうんでしょうね。コールさんもそういった風潮を感じ取ってそう言ったのかもしれません。政治家にとって大事なのは票だから。
Commented by ありちゅん at 2010-05-13 07:38 x
(続きです)あんまり関連書籍などを読んでいない私が偉そうに書いちゃうのがそもそもおこがましいのですが、興味のあるテーマなのでついつい。昨年読んだ熊谷さんの本「ドイツは過去とどう向き合ってきたか」にもあったのですが、「過去との対決」も度が過ぎると反動が当然出てくるんですよね・・・。きっとシュパちゃんなら詳しいと思うんだけど(私は知らなかった(恥))ドイツ人作家が講演で批判したという内容が印象的でした。「ドイツの知識人は、ナチスの過去を我々に突き付け、心に刻むと言う作業に参加することで、自分たちが許され、加害者ではなく被害者の側に近づけるとでも考えているのでしょうか。」「私はマスコミから、このようにナチスの過去を毎日突き付けられると、ドイツの悪の恒常的なプレゼンテーションを拒否する心が、自分の中に芽生えるのを感じます」「ドイツの恥部が、今日的な目的のために、道具として使われているのです」(以上、引用いたしました) 
Commented by ありちゅん at 2010-05-13 07:42 x
(さらに続きです。長くなってすみませんっ) なんか分かりやすいな~と、目からウロコでした。国民1人1人が自国の過去から目をそらさず、同じ過ちを繰り返さないようにするのはとても大切なことだけれど、そういった努力は方法を間違えるととんでもない方向に導いてしまう、というもろ刃の剣なんだな~と改めて思いました。偽善的なものが臭うと嫌がられるし、リベラルな人を装いたいだけの人もいるでしょうし・・・ そういうドイツでも、壁を見たことのない若者が増え、過去に無関心な世代が増えてきたと聞きます。これからどうなっていくんでしょう~~ やっぱり目が離せないのだ。
Commented by ありちゅん at 2010-05-13 07:48 x
何度もしつこくすみません。

>ドイツ人もまた、ナチの被害者だったという映画
・・・と書いたのですが、それでもドイツ人のバランス感覚が優れているな~と感じるのです。ドイツ人がナチや赤軍などに苦しめられている様を書きながらも、一方でナチの蛮行にもちゃんと触れている。このあたりのバランス感覚は見事だなーと思います。
Commented by spatz at 2010-05-13 08:54 x
あり様、興味深いレスをだんけです~うなずけるし嗚呼興味ある人めっけと嬉しくなるわ♪卒論ですよね。私が学生時代やってたこととこの論文かなりかぶります。政治家は、こういう現代史の観点からいうとちょっとした発言や失言は歴史に残っちゃう。「過去の克服」ときたらコールさんはこの一言と必ず結びつけられちゃうの(どの国でも同じですね)、知識人の…については、ちとずれますが「グラスの件」を連想しました、告発的な視点を貫いてきた作家の告白は物議をかもしましたよね。
Commented by spatz at 2010-05-13 09:01 x
なので周辺をちょっと知ってると演説の言葉の背景がわかるんです。私は引用論文にでてくる「歴史家論争」を少しだけ勉強しました。「過去を美化したり、なかったことにしたり、修正することはできない」「ナチスの罪のEinzigartigkeit」とかいう言葉を使ってますが実はこれこの演説の核ともいえるキーワード。彼が強調するということは、それまでいかにこれを争点とした議論が沸騰してたかが明らかになります(歴史の分野では修正主義という)。日本語にしにくい言葉です、独特なこと。比較ができないこと、比類ないこと。とにかく「あいつらだって似たようなことやってた」は許されない、て断言。
Commented by ありちゅん at 2010-05-13 20:46 x
★シュパちゃん コメントありがとうございます。
>グラスの件
玉ねぎ本でしょうか? どなたかが騒いでおられたやつ・・・?(笑)
政治家の一言はヒジョ~に重いというのはどこも同じですよね・・・。特に国家元首ともなると、国内だけでなく世界中から注目されているし、特に過去の歴史認識についての問題はデリケートだから・・・。
「歴史家論争」となると、ワタシは全くの門外漢で下手なことを書くと無知がバレバレになってしまいます^^; でも、戦後ドイツを描いた硬派っぽいドラマや映画って、必ずと言っていいほどナチや68年問題、冷戦などがからんでくるので、このあたりを知らずしては訳せないことも多く、毎回自分の不勉強を恥じている次第・・・orz..
Commented by spatz at 2013-05-08 20:42 x
ひとこと。

このあつい(あつくるしい)ことかいてるひと、だれかしら??
へーそうなんだあ、とか思って読んでました。脳みそが確実に退化してる。まだ若いのに、わたし!!
Commented by tan at 2013-05-10 09:13 x
うろ覚えですが、確か当時岩波の『世界』に全文掲載され、のちに岩波ブックレットで出たんじゃなかったでしょうか。ドイツでのさまざまな事情も大変興味ありますが、一方日本では知識人たちがこの演説を奉りながら、それに少しでも学べているのか……と考えると暗澹たる気持になります。ドイツでは少なくともナチ時代が「悪」であり、許されない罪を犯したという点では(一部の極右は別として)コンセンサスがあると思うんですよね。一方こちらでは……。
Commented by Alichen6 at 2013-05-10 22:10
☆シュパちゃ、コメントありがとうございます~ 3年前にやり取りしていたコメント、今読むと恥ずかしいっすね^^; ちなみに、脳の退化はワタシのほうが深刻です。ほとんど覚えてなかった…!
Commented by Alichen6 at 2013-05-10 22:12
☆tanさん コメントありがとうございます。さすがtanさん、お詳しいですね!ブログに載せた日本語訳、岩波からの転載みたいです。今読んでも感動的ですね。いや、今のこの状態で読むから、さらに感動的なのかしら。過去を直視するというのは、すべての時代、すべての国において基本中の基本だと思っちゃいます。。。ううぅ、それを考えると気が重いですね。
by Alichen6 | 2013-05-08 09:14 | 今日は何の日? | Comments(17)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


by Alichen6
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