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Rechtsmediziner(法医学者) と 監察医

 ドイツの刑事モノのほにゃくをする際、よく出てくる言葉が Rechtsmediziner だったりします。「法医学者」。これを「監察医」と訳していいものかどうか、毎回迷います…。だもんで、ここでちょっと書き出しちゃいます。

日本語における法医学者と監察医の定義は?(デジタル大辞泉から引用します)

法医学:法律の運用の際に重要な事項について、医学的に研究・鑑定・解釈などをする応用医学の一分科。死因・死亡時刻・血液型・親子鑑定などを扱う。法律医学。裁判医学。
(法医学学会による定義は:法医学とは医学的解明助言を必要とする法律上の案件、事項について、科学的で公正な医学的判断を下すことによって、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを目的とする医学である。)

法医学者:この言葉ではデジタル大辞泉には載っていなかったのですが、法医学の学者さんですよね、たぶん。

監察医:不審死体の懸案や解剖を行い、死因を解明することを任務とする医師。


むむむ…似ている!監察医というのは、警察の依頼を受けて不審死体の解剖などを行う医師ですよね。法医学教室の医師が行うこともあれば、開業医が依頼を受けて行うこともあるそうです(←とあるドクターに聞きました)。ってことは~ 「法医学者」が必ずしも「監察医」の上位概念だとも言い切れないってことかいな。法医学者≒監察医ってところでしょうか。
4月1日追記:ずびばぜん~ ウソを書いてしまいましたっ 昨夜はエイプリルフールの1日前なのに。アホなことを書いて無知がバレバレ~ 監察医は司法解剖は一部の例外を除き、原則的にやらないみたいですね。行政解剖がお仕事。だから事件性のある死体の解剖もやらないんですね・・・。知らなんだ(恥)。私個人の備忘録として、一番下に司法解剖と行政解剖の定義を書いちゃいました。tanさん、コメントありがとうございますっ 実は昨日、「監察医」という訳語を当ててしまったのですが、真夜中に訂正して差し替えてもらいました。ふう、危ないところだった。助かりました。
 
 で、ドイツの場合。刑事事件の捜査にかかわる Rechtsmediziner に「監察医」という訳語を当てていいのかどうか悩んでおります。ちなみにドイツで法医学に携わる研究所Rechtsmedizinisches Institut は数多くある模様です。毎度ウィキの知識で恐縮なのですが、Rechtsmedizin の説明によりますと、大学の法医学研究所は31個所あり、それ以外にも市立や州立の法医学研究所が数か所ある模様。これらの法医学研究所に勤める法医学者たちは、依頼を受けると不審死体の解剖などを行うワケです。そういった仕事に従事しているなら「監察医」と訳して構わないのかなぁ? 大丈夫そうな気がしますが…。

 長々と引っ張った割には答えが出ていなくて申し訳ないです。うーん、悩む…。

 ちなみに・・・ ドイツの法医学研究所一覧 → コチラ

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4月1日追記:

 ごちゃごちゃして申し訳ないのですが、司法解剖と行政解剖の定義を下に書き出しました。以下、ブリタニカ国際大百科事典より引用。

司法解剖:司法警察員、検察官、裁判官などの嘱託、命令によって、他殺死体、変死体、変死の疑いのある死体について行われる解剖。一派に、創傷の有無、その種類、性状、個数、凶器の種類とその使用方法、死因、死因と創傷の因果関係、死後の経過時間などが検査される。司法解剖と行政解剖を合わせて法医解剖という。
(ウィキの「司法解剖」からも一部引用させていただきます:司法解剖を行う者の資格について詳細な規定はなく、法的には、学識を有し、かつ捜査当局の嘱託を受けた者なら誰でも行えると解釈できるので、かつては警察協力医などの臨床医によって行われるケースも存在した。
しかし、法医学の分野における科学技術が格段に進歩した今日では、解剖によって得られた情報が刑事事件の真相解明や犯人特定などに重大な影響を与えることから、事件発生現場や死体発見現場に最寄の大学医学部において、高度な専門知識を持つ法医学者の手で執行するのが原則である。この場合、執刀者は前述の「鑑定処分許可状」のもと、捜査を担当する検察官や警察署長などの嘱託を受けて解剖を行う。(以上、引用終わり))


行政解剖:司法解剖とともに法医学領域で行われる解剖。対象は主として事故死者で、行路病死者、水死体、自殺死体、災害死体(高山、工場、交通機関などの事故による死者)、医師の手にかからず死亡した者などで、解剖は、監察医制度のある大都市では監察医が行う。

監察医:感染症、中毒、災害などで死亡した疑いのある死体、死因の明らかでない死体などについて、死因を解明するために変死検案および解剖を行う医師。知事によって任命される。この制度はアメリカで確立され、日本には1950年に取り入れられた。現在、東京区地域、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の7都市で実施されている。

 …最初からこの百科事典を見ればよかった^^; 監察医は死因の特定がお仕事なのでしょうが、あくまでも事件性のない死体が対象だったんですね・・・。ワタシってば、無知。もっと日本の刑事ドラマとか、法医学系のドラマなどを見なきゃいけないんだな~と痛感。
by Alichen6 | 2010-03-31 21:21 | ドイツ語

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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