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by Alichen6
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何の材料でしょう?


 そこで(どこで?)問題です!下の食材は何の材料でしょう? 五択です!下から選んでね。

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  ① アルザス銘菓クグロフ
  ② 泣く子も黙るまるちぱんいり五平餅
  ③ クリスマスには欠かせないシュトレン
  ④ いやいや、中華料理のお土産で人気の桃まんじゅうでしょう
  ⑤ いんや、知る人ぞ知るマイセン銘菓マイスナー・フンメルです

 ちょっと難しかったかな?正解は数週間後に・・・!(失敗したら正解の発表は来年の冬に持ち越すこともアリですのであらかじめご了承ください~^^;)
by Alichen6 | 2014-11-29 11:10 | ドイツのお菓子 | Comments(4)

 今日は朝から雨が降っていて寒いですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。凝りもせず、またまた漫談のお知らせです。日独協会さんのご好意で、1月に漫談をやることになりました…。「ドイツが仕事!」というシリーズの一環です。露出ばかりしてホントにすみませんっっ 笑いを取れるよう、きっちりネタを仕込んでまいります!

…というのは冗談ですが、来てくださった方に楽しんでいただけるよう、いろいろ準備いたしますね。もしご興味がおありでしたら、是非…。

 日時:2015年1月30日(金) 19:00~21:00
 場所:日独協会

 詳しくはサイトを ⇒ コチラ

 いろいろご手配くださったスタッフの方には心より御礼申し上げます…!

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by Alichen6 | 2014-11-25 18:01 | つぶやき | Comments(16)

りんご祭りは続く…


 生協で大量に買っちゃった紅玉リンゴ、順調に減っています。今日は Apfelstreuselkuchen を焼きました!そーです、夏にブレーメンスイーツのお教室(コチラ)で習ったレシピです。オーブンの上の段に入れたのがいけなかったのか、ちょっぴり茶色くなっちゃいましたが、お味はバッチリ。美味しくできちゃって、#%@感激☆ ドイツのパン屋さんを思い出します。

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 あれだけあった紅玉リンゴも、あと数個。先生からいただいたもう1つのレシピでリンゴのケーキを作る予定。うまくできたら、またブログで ジマン ご報告いたしますねー❤
by Alichen6 | 2014-11-24 18:21 | ドイツのお菓子 | Comments(4)

 しつこく東ドイツ映画の話をしちゃってすみませんっ 2年ほど前に書いた日記に加筆して、前に持ってきてしまいました。

********************
 まだドイツが東西に分断されていたころ、旧東独で大ヒットした映画があるんだそうです。旧東独だけでなく、国外でも上映されて好評を博したんだそうで、当時この映画をウィーンでご覧になった方から教えていただきました。タイトルは『Die Legende von Paul und Paula (=パウルとパウラの伝説)』、公開は1973年。クサいメロドラマと思いきや、これがですね~いろんな点で興味深い映画なのです。

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『Die Legende von Paul und Paula』 (直訳:パウルとパウラの伝説)
監督:Heiner Carow (ハイナー・カーロウ)
出演:Angelica Domröse (アンゲリカ・ドムレーゼ)
    Winfried Glatzeder (ヴィンフリート・グラツェーダー)

<チョ~簡単なあらすじ>

 パウルには美しい妻がいるものの、ソリが合わず、結婚生活はうまくいっていませんでした。一方、向かいのアパートに住むパウラは2人の子供を女手一つで育てるシングルマザー。彼女は幸せな生活を夢見ていました。そんな2人が出会い、恋に落ちます。しかし一途なパウラとは違い、パウルは妻や自分のキャリアを捨ててまでパウラと一緒になる気はありません。仮面夫婦の生活を続けようとします。煮え切らない態度のパウルに腹を立てたパウラは、つい子供につらく当たってしまいます。そんなある日、パウラの下の息子が自動車にはねられて死亡。自責の念に駆られたパウラはパウルと距離を置こうとします。パウラに強烈に惹かれていることに気づいたパウルは(今更ながら)パウラに猛烈アタック。家の前に籠城します。そんな努力(?)が実り、二人はとうとう一緒になります。ところがパウラは医者から出産を止められていました。母体がもたないというのです。パウラはそれでも子供を産むことを選び、そして医師が危惧したとおり命を落としてしまいます。パウルはパウラが残した子供2人、そして自らの子供2人の4人を独りで育てる決意をするのでした…

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 …と、簡単にあらすじを書いてみましたが、これだけを読むと安っぽいメロドラマ。まるで昼ドラですな。ところがこの映画、東独史上最高のヒットとなったそうです。なぜ?どして?パウル役のヴィンフリート・グラツェーダーなんて、まるでゴリラ(失礼)。イケメンとは程遠いし、パウラ役のアンゲリカ・ドムレーゼも「おきゃん」な感じで、美人女優といった雰囲気ではないのです。この映画が公開された1973年と言えば、西ドイツではまだまだRAF(ドイツ赤軍派) によるテロの嵐が吹き荒れた頃。前年の1972年には、RAFの中核メンバー、アンドレアス・バーダーとウルリーケ・マインホフが銃乱射事件などで逮捕されています。そんな激動の時代だっただけに、本作のような「純愛」「一途」「けなげでたくましい主人公」がテーマの映画が西ドイツ国民には新鮮に映ったのかなぁ?

 さらに、この映画が作られた背景も興味深いのです。東独では1971年にヴァルター・ウルブリヒトが書記長の職を降り、エーリヒ・ホーネッカーが後任となりました。文化政策では、それまでの厳しい締め付けが多少緩み、ある程度の自由が認められるようになったとのこと(あくまでも「ある程度」で、厳しい検閲はなされたそうですが)。映画でも、それまでの「いかにも社会主義的」な映画が大衆に飽きられ、映画館の来場者数は大きく落ち込んでいたとのこと。V字回復(?)を狙うためにも、大衆にウケる映画を、という事情もあった模様です。「パウルとパウラの伝説」は一見、単純なメロドラマのように思われますが、シングルマザーのパウラがスーパーのレジで一生懸命働いて子供を育てたり、純粋でとにかく一途だったりと、やはり模範的な部分があったのかと思います。

 さらに面白いのは後日談。一躍スターとなったパウル役の俳優とパウラ役の女優が、80年代初頭に相次いで西へ亡命しちゃったのです。いわゆる「Republikflucht」(共和国からの逃亡)ってやつ。DDRの模範となるべき2人が西ドイツへ行っちゃうなんて、当局のお偉方は頭を抱えたでしょうねぇ…。シャレにならないもん。そしてこの映画は上映禁止となりました。

 ところが壁の崩壊後、オスタルギーの流れの中で、この映画が再び注目されるようになったんだとか。カルト的人気があるそうで、ベルリンのHackescher Markt という地区にある映画館では、この映画をずっと上映し続けたんだそうです。また、この夏にふらりと立ち寄ったワイマール市内の小さな映画館では、「近日公開」として、この作品のポスターが掲げられておりました。今じゃ、時を超えて愛される作品になっちゃった。パウルとパウラは本当に伝説になったんですね。

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by Alichen6 | 2014-11-23 21:13 | ドイツ映画 | Comments(2)

 またまた東ドイツ映画のお話です。こちらも名作と呼ばれる作品で、日本では先日の「ソロシンガー(コチラ)」と同様、1983年に開催された「東西ドイツ名画傑作選」という催しで上映されたそうです。

『Jakob der Lügner』 (邦題:嘘つきヤコブ)1974年
原作:Jurek Becker (ユーレク・ベッカー)
監督:Frank Beyer (フランク・バイヤー)
出演:Vlastimil Brodský (ブラスティミール・ブロドスキー)
    Henry Hübchen(ヘンリー・ヒュプヘン)
    Armin Müller-Stahl(アルミン・ミュラー=シュタール)

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<簡単なあらすじ>
 第二次大戦中、ポーランドにあったユダヤ人ゲットーが舞台。ヤコブは偶然、ドイツ軍の苦戦を伝えるラジオ放送を耳にします。ソ連軍がすぐ近くまで来ているとの内容でした。ナチによるユダヤ人移送(行き先は絶滅収容所)が迫り、絶望的な空気が蔓延しているゲットーの仲間たちを勇気づけようと、ヤコブはその内容を皆に伝えます。その際、とっさにウソをついてしまいます。禁止されているラジオをこっそり家に隠しており、それで聞いたのだと。生きる希望を抱き始めた仲間たちは、ヤコブにニュースの続報を聞きたがります。そのたびにヤコブは苦しいウソを重ねるのでした。また彼は、両親を亡くした8歳の少女リナをひそかにかくまっていました。ヤコブは、リナにも同様に苦しいウソをつきます。ラジオを聴きたがるリナのために、声色を変えてラジオ放送の真似までするのでした。絶望の中に見えてきた一筋の光。希望を見出し、喜ぶ仲間たちを見て、ヤコブの苦悩はさらに深まるのでした…
 

********************

 本作は、「裸で狼の群れの中に(コチラ)」や「石の疵跡(コチラ)」を撮ったフランク・バイヤー監督の作品。1975年のベルリン映画祭(@西ドイツ)で銀熊賞を受賞。そして東ドイツでは唯一、米アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品としても知られています。また、1999年にはアメリカで「聖なる嘘つき、その名はジェイコブ」としてロビン・ウィリアムズ主演でリメイクされました。悲しく、切ないストーリーですが、不思議と陰惨なイメージがないのです。ほのぼのとした雰囲気さえ感じられます。主演の俳優(チェコ人)の熱演、そして脇を固める名優たちの演技がすばらしく、引き込まれてしまいます。アルミン・ミュラー=シュタールやヘンリー・ヒュプヘンなど、現在もドイツ映画界で活躍する俳優が多く出演しており(←この2人をご存じの方は、か~な~り~マニアックですが^^;)、少女リナも大変かわいらしい子役が演じています。

 このフランク・バイヤー監督は、先日ご紹介した「石の疵跡」で上映禁止処分を食らい、DEFAをクビになってしまいます。その後、ドレスデンの劇場やテレビ界を転々とし、再びDEFAに戻ることが許されて撮ったのが本作です。そしていきなり、銀熊とオスカーノミネート。DEFAや東ドイツ当局としては、バイヤー監督が非常に気難しく、一筋縄ではいかない人物である一方で才能豊かな監督であることも分かっており、扱いに苦慮したでしょうね。当局が望むような映画は決して撮らない人でしたから。

<2016年1月12日 追記>
この記事も、どうぞご参考までに… ⇒ コチラ
by Alichen6 | 2014-11-23 12:55 | ドイツ映画 | Comments(0)

 またまた東ドイツ映画の話ですみません。少し前の話なのですが、 『Solo Sunny (邦題:ソロシンガー)』という作品をDVDで見ました。日本ではなかなか見られない作品なので申し訳ないのですが…。先日このブログに書いた『引き裂かれた空』(コチラ)の監督、コンラート・ヴォルフの作品です。これはヴォルフ監督が撮った最後の劇映画となりました。ちなみに遺作は、この次に制作されたドキュメンタリー映画です。

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Solo Sunny (邦題:ソロシンガー)1980年
監督:Konrad Wolf (コンラート・ヴォルフ)
出演:Renate Krößner (レナーテ・クレースナー)

<簡単なあらすじ>
 歌手のサニーはバンドと一緒に各地を回り、場末のバーで歌を歌っています。いつかはソロ・シンガーとなって本当に歌いたい歌を披露することを夢見ていますが、現実はそう甘くありません。どさまわりの生活に嫌気が差すものの、かつてのように工場で働く気もありません。気持ちを寄せてくれるタクシーの運転手ハリーに対しては本気になれず、惹かれて付き合い始めた哲学者からは二股をかけられてしまいます。孤独感にさいなまれて自暴自棄の生活を送るサニー。挙句の果てには睡眠薬の飲みすぎで病院へ担ぎ込まれてしまいます。心も体も疲れ果て、かつて勤めた工場に戻るものの、やはり長続きせずに辞めてしまいます。どん底まで落ちるサニーでしたが、夢を諦められない彼女は、新たにオーディションを受けてやり直す決意を固めるのでした…。

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 本作は東ドイツで人気を博した女性歌手がモデルと言われ、国内外でヒットしました。1980年のベルリン国際映画祭では、サニー役の女優が銀熊を受賞しています。1970年代末の東ベルリンが、ありのままの姿で随所に現れます。煤けて壊れかかったボロボロの建物、当たり前のように走るトラバント、お世辞にもきれいとは言えない市電、レトロな壁紙と古びた家具の家、あまりにもDDR的な日常…。セットではない本物の東ベルリンが、そこにあるのです。バンドの演奏もメンバーの風貌も「トホホ感」が漂います。そうなんです、まさに「トホホ感」と「場末感」が満載。こう書くとネガティブに聞こえますが、当時の東ドイツには政治や経済の停滞と行き詰まりから来る閉塞感が蔓延していたのではないかと思えちゃう。そして、これが東ドイツの日常だったのでしょう。出口の見えない閉塞感に心が折れそうになりながらも、不屈の精神で頑張るサニーは、東ドイツの人たちの姿を投影したものなのかもしれません。そんなことを考えながら作品を見ておりました。

 当時、西ドイツのシュピーゲル誌のインタビューで、「サニーは東ドイツのアウトサイダーなのか?」との質問に対し、ヴォルフ監督は「サニーはDDR社会の"中で”生きる人間だ。どこがDDRの中心でどこが端っこなのか、それは地理学者が答えることで、私はそういうことに興味はない」といった趣旨の答えをしています。ここから推測するに、監督は決してアウトサイダーを描いたのではなく、あくまでも東ドイツに生きる1人の人間を描いたつもりだったのでしょう。非常に興味深いインタビューだと思いました。

 この作品は、1983年に「東西ドイツ名画傑作選」という枠内で日本でも公開されています。当時の反響を知りたいと思い、キネマ旬報のバックナンバーを調べてみたのですが、ほとんど記事になっていなかった…(涙)。あまり反響は大きくなかったのかも。ガックシ。

 ステージで歌うサニー。この、何とも言えない独特の雰囲気が皆様に伝わるでしょうか・・・?


by Alichen6 | 2014-11-22 21:20 | ドイツ映画 | Comments(0)

ドイツ映画特集2014


 またまた首都圏限定のお話ですみません。実は今日からドイツ文化センター(ゲーテインスティテュート)で「ドイツ映画特集2014」が開催されます。公式サイトがないのが残念!ゲーテのサイトは ⇒ コチラです。

 今回上映されるのは4本。詳しくは、リンクしたサイトをご覧くださいねー。

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by Alichen6 | 2014-11-19 18:05 | ドイツ映画 | Comments(0)

 またまた東ドイツ映画のお話です。DVD化されていないので、簡単に見ることができない作品ですのにすみません。自分用のメモです。今年~来年を「ワタシの中での東ドイツ年」と位置づけ、せっせと東ドイツ映画を見て調べることにしています。

 フランク・バイヤー監督の作品をDVDで視聴しました。面白かった!これは1966年にプレミアで上映されたものの、その直後に当局から横やりが入り、上映禁止となったいわくつきの作品。再上映されたのは統一後でした。フランク・バイヤー監督は先日もご紹介した『裸で狼の群れの中に』を撮った監督。東ドイツ映画界の巨匠と呼ぶのにふさわしい監督の1人です。彼はこの作品が禁止になったことでDEFA(東ドイツの国営映画会社)を追われ、まずドレスデンの劇場に飛ばされます。映画制作を許されず、その後もしばらくはテレビの世界で働くことに…。この監督の生涯は波乱に満ちていて非常に興味深いのです。これについては、また改めてまとめますねー。

『Spur der Steine』(邦題:石の疵跡、1966年)
原作:Erik Neutsch (エリック・ノイッチュ)
監督:Frank Beyer (フランク・バイヤー)
出演:Manfred Krug (マンフレート・クルーク)
   Eberhard Esche (エバーハルト・エッシェ)
   Krystyna Stypułkowska (クリスティーナ・スティプウコフスカ)
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<簡単なあらすじ>
 ハンネス・バッラは広大な住宅建設現場で働く作業班(Brigade)の班長。親分肌のバッラは6人の班員を率い、まるでカウボーイのような作業着で現場を闊歩しています。荒くれ男たちは党の支配を嫌い、自由奔放に振る舞います。現場の指導者たちは彼らに眉をひそめるものの、建設作業員としての腕が確かであるために扱いに苦慮していました。
 そんなある日、党の幹部が現場に送られてきます。ヴェルナー・ホラートです。彼は若手ながら将来を嘱望されたエリートでした。同じ時期、聡明な女性技術者カティ・クレーも現場に送られてきます。ホラートは妻子がいるにもかかわらず、彼女に惹かれてしまいます。荒くれ男のバッラもまた、彼女に好意を抱くのでした。ホラートとバッラは仕事現場で反目し合うだけでなく恋敵にもなりますが、一方でお互いに相手の能力を認め、ひそかに敬意を払うのでした。
 やがてカティとホラートは深い仲となり、カティは妊娠してしまいます。将来を嘱望されたホラートをかばうためにカティは決して父親の名を明かさず、シングルマザーとして生きることを決めます。そんな彼女をバッラも支えるのでした。しかし父親の名前は同僚たちの知るところとなり、妻子あるエリートの不倫が一大スキャンダルへ…。
 一方、建築現場では急ピッチで工事を進めなくてはならなりません。しかし資材の供給は滞りがちでなかなか進みません。職務の遂行とスキャンダルの対応に悩むホラート。彼は党への忠誠心ゆえに子供の認知を拒みます。しかし妻とは別れることになり、最終的には職場のポストも失ってしまいます。そしてカティも去っていきました…

(追記:ぬゎんと!カウボーイのような格好は、Zimmermann(大工さん)の伝統的な作業着なんだそうです!tanさん、教えてくださってありがとうございます)

*****************

…と、これだけではこの作品の面白さがイマイチ伝わらないですよね。すみません^^; いくつかの映画評を読むと、これが非常に優れた作品であることが分かります。党のエリートとして職務とプライベートの板挟みに苦しむホラート。党の支配を嫌い、部下の権利を守ろうと奮闘しながら自由奔放に生きるバッラ。美貌と能力に恵まれ、シングルマザーとしてたくましく生きるカティ。大規模な建築現場と計画経済。資材供給の遅れと労働ノルマの引き上げ… 各自の心の痛みを織り交ぜつつ、当時の東ドイツの現状をありのままに描く作品なのです。そこには何の美化もなく、ひたすらリアリスティック。徐々に行き詰まりを見せていた東ドイツの現状がありありと描かれているのです。

 実はこの映画が上映される直前、東ドイツの文化政策を大きく変えることになる動きがありました。1965年12月16日~18日に開かれた「ドイツ社会主義統一党中央委員会 第11回総会」。当時のトップはウルブリヒト第一書記。ここで文化事業に対する締め付けの強化が決定されました。この影響で、十数本の映画が上映禁止処分に。お蔵入りならぬ「地下室入り」するハメになったので、これらの映画は Kellerfilme (地下室映画)と呼ばれるようになったとか。その中の1本が、この「石の疵跡」です。なお、この作品は1999年にアテネ・フランセで開催されたフランク・バイヤー監督特集で上映されました。DVDのジャケット写真で分かるように、7人の男たちはなぜかカウボーイの格好をしています。ネット記事では、黒澤監督の「七人の侍」や「荒野の7人」へのオマージュがうかがわれるとの指摘もありました。確かに…。

 ところで、一体この映画の何がお偉方の逆鱗に触れたのでしょう?ネットのニュースなどを読むと、「労働者(=バッラ)と党幹部(=ホラート)の対立がよくない」とありました。バッラは奔放で親分肌の荒くれ男ですから、党幹部の言うことなんて聞きやしない。しかも恋敵だしね。労働者と党指導部が手を携えて労働に勤しむというのが「正しい社会主義の姿」ですから、この描き方はもうNG。さらに、妻子持ちの党エリートが女性に手を出して罷免されちゃうんですから、これまた「理想の党幹部の姿」からえらく離れていてNG。これ以外にも、東ドイツ経済の行き詰まりがあちこちで感じられ、理想郷とはほど遠いことがバレバれ。第11回総会の直後ですっかりココロが狭くなっているお偉方にとって、これは許しがたい映画だったのでしょう。

 興味深いのは、主人公バッラを演じた俳優マンフレート・クルーク。大物っぽい雰囲気の漂う、なかなか素敵な俳優さんです。彼はジャズシンガーとしても有名な人気俳優でしたが、党からにらまれて仕事が制限されてしまいます。シュタージの監視も受け続け、とうとう西への亡命申請を出して出国しました。その後は西側のテレビで活躍。私はほとんど見た記憶がないのですが、ゼザムシュトラーセ(西ドイツ版セサミストリート)に出ていたんですって。どれどれ、とYouTubeを探してみたら、ありました。ああ、確かにマンフレート・クルークが…!かつてはカッコよかった名残があるようなないような…。



 そんなワケで、私にとっては非常に面白い映画でした。すみません、なかなか日本では見られない作品ですのに。個人用メモですので、どうぞお許しください。

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by Alichen6 | 2014-11-17 15:27 | ドイツ映画 | Comments(4)

 昨夜、セールスの電話がかかってきました。普通なら「すみません、いま忙しいので…」とすぐに断ってしまうのですが、この日は油断していたのか、うっかり聞いてしまいました。女性のセールスマンが、甲高い声でまくしたてること…。 
 
 「▲▲様のお母様でよろしかったでしょうか?」(娘の名簿を入手し、母親にピンポイント攻撃を仕掛けているらしい…。「よろしかったでしょうか」と言われるとイラッとしちゃう人も多いハズ)

 「今度、●●ホールを使わせていただくことになり、お着物大放出セールを開催させていただくことになりました」(私もついつい使ってしまいますが、「~させていただく」という妙な謙譲語を嫌う方も多いですよね。気をつけなきゃと思った次第)

 「●●ホールには、大島紬や京都西陣など、すばらしいお着物も展示させていただいておりますので、お客様の目の保養にしてください(お客さんに「自社製品で目の保養にしてください」と言うのもなんだかなー)

 「今年は我が社の創立▲周年だったんです」(今年はまだ終わってないけど過去形?)

 極めつきは、

 「お母さま、いま我が社がすごいことになっています!お着物を皆様に無料でプレゼントさせていただいております」(「すごいことになっている」ってネットで最近よく見かける流行りの表現だけど、こうしたセールストークで使われるとウケちゃう)

 こうやって書くのは揚げ足取りみたいで申し訳ないのですが、ビミョ~なセールストークだったのでつい。。。ものすごいキンキン声だったので、家族みんなに聞こえていました^^; 家人いわく「なんでそんなに長く会話してるの?」 とにかく、「着物は着られないし、着る機会もないので買えません~~」と言ってお断りしたのでした。ふぅ。

*******************

 日記とは関係ありませんが、ベルリンにできた某アパレルメーカーのお店。バスの中から撮っちゃった。ベルリン出身のお友達に聞いたところ、「あんな一等地に… テナント代がすっごく高いハズよ~」だそうです。

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 ニシコリ君はとってもステキだけど、あのウェアのデザインは何とかならないもんでしょーか…。ちょっと、いや、か~な~りダ●い。
by Alichen6 | 2014-11-17 10:47 | つぶやき | Comments(8)

 11月11日から本日まで開催されている「シネマの冒険 闇と音楽2014」、今年は『フィルムアルヒーフ・オーストリアの無声映画コレクション』の特集でした。先日、ちらっとさわりを書いたのですが、今日はその続きを。

 フィルムアルヒーフ・オーストリアで技術部長という重職についておられる常石史子さんの講演はとっても面白かったです!1回目は先日お話したように、フィルムアルヒーフのご紹介が中心。そして2回目は古いフィルムの修復・保存といった技術的なお話が中心でした。

 さてさて、上映された映画について、ちょこっと書かせてください。どの日も、ショートフィルム1~2本と、長編映画1本の組み合わせになっていました。長編で私が見たのは、

1)「イスラエルの月」(原題:Die Sklavenkönigin) 1924年
   監督:ケルテス・ミハーイ
2)「喜びなき街」(原題:Die freudlose Gasse)1925年
   監督:G·W·パプスト
3)「妻の愛人」(原題:Der Geliebte seiner Frau)1928年
   監督:マックス・ノイフェルト

 どれもすっごくハイクオリティで面白かった〜。1)の監督ケルテス・ミハーイって、実はあの「カサブランカ」を撮ったマイケル・カーティスだったんですね。そうです、君の瞳に乾杯しちゃった作品。どうりで。大がかりなセットといい、凝った衣装といい、大勢のエキストラといい、今のハリウッド映画に負けない一大スペクタクル映画。手に汗を握るし、ホロリとさせるし、うっとりさせるし。エンタテイメントに必須の要素が満載の大作でした。1924年という時代にあれだけの作品が作られたなんて、ほんとにビックリ!ケルテス監督はユダヤ系でブダペスト生まれ。監督がキャリアをスタートさせたころは、まだオーストリア=ハンガリー二重帝国の時代でした。ブダペストやウィーンで活躍したのち、ハリウッドに渡ったんだそうです。

2)の「喜びなき街」は、先日DVDで見て感激したばかり。詳しくはコチラをご覧くださいね。やっぱりスクリーンはDVDよりいい!グレタ・ガルボの美しい表情や、悪徳精肉店主を演じたヴェルナー・クラウス(「カリガリ博士を演じた俳優さんです)のにやけた顔(←時代劇のお代官様的。「よいではないか」的スケベな笑いです)とか、よ~く見えてホントに楽しかった!

3)の「妻の愛人」はコメディだったのですが、テンポが軽快で飽きることなく楽しく見られました。ハッピーエンドだしね。見たあとが爽快。

 そして!! なんと今回はサプライズ上映がありました…!エルンスト・ルビッチ監督の「田舎ロメオとジュリエット」(原題:Romeo und Julia im Schnee)。これはオーストリア映画ではないのですが、プレゼントとして特別上映してくれたのです。通のお客さんは大喜び。常石さんのお話によると、ベルリンにオリジナルのネガが保存されており、そこからポジを作り、彩色を施したとのこと。ウィーンのアルヒーフに残るコピーの彩色版を参考に、フィルム彩色を専門に手掛けるチェコの会社に依頼して色をつけたそうです。当時のクオリティに限りなく近いフィルムということで、とてもきれいでした。そしてルビッチは、やっぱり「笑い」の格が違うって感じ。題名どおり、田舎のロミオ&ジュリエットの物語なのですが、ぷぷっと笑える小ネタが満載で、本当に楽しかった!

 今回、初めて「活弁」つきでサイレント映画(作品は2の「喜びなき街」でした)を見ましたが、とってもよかったです。坂本頼光さんとおっしゃるプロの弁士で、声優としてもご活躍だそうです。声色を使い分けて登場人物のセリフを語り、抑えた声でナレーションもこなす。しゃべりすぎず、静かすぎず。間の使い方も効果的でした。モダンな活弁でピアノ伴奏との相性も良く、とても心地よかったです。
by Alichen6 | 2014-11-16 17:27 | ドイツ映画 | Comments(0)