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by Alichen6
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カテゴリ:ドイツ映画( 298 )



 Stern 誌の芸能記事は結構面白いので、私ったら定期的に読んでおります。ちょっと古い記事(3月17日付)なのですが、先ほど偶然見つけたのでご紹介しちゃいます。「U・ボート」のヴォルフガング・ペーターゼン監督のインタビュー記事&映像です。

ペーターゼン監督インタビュー → コチラ

映画「U・ボート」に詳しい方も大勢いらっしゃいますので、私が今さらこんなことをご紹介してもお恥ずかしいばかりなのですが、ご存じない方もいらっしゃると思い、内容を簡単に要約させていただきますね:

 監督は映画少年だったそうです。当時のドイツはまだ戦後の影を引きずっており、暗い時代だったとか。そんな重苦しい時代でも映画館の中だけは別世界。少年は映画館に入り浸り、華やかなアメリカ映画を見ては空想にふけっていたんだそうです。そして忘れもしない12歳のクリスマス。両親におねだりしたのは、8ミリカメラでした。当時の値段で217マルクしたんだそうです。これで撮影したのが映画人生の原点となりました。

 監督にとって忘れられない初期の作品が、ナスターシャ・キンスキーを主役に抜擢した「Reiferzeugnis (邦題:危険な年頃/課外スクール)」。このTVドラマでナスターシャ・キンスキーは一躍トップスターに。実は私、このドラマを見ています。15歳のキンスキーはびっくりするほど初々しく、美しい。atemberaubend schön (息をのむほど美しい)とはこのことだな、と思いました。それと同時にペーターゼン監督ったら、この類の映画も撮ってたのね~とちょっとビックリいたしました、ハイ。

 大きな転機となったのが、ご存じ「U・ボート」。監督いわく「あれはハリウッドへの扉を開けるきっかけとなった作品だった」「私だけでなく、あの作品にかかわった多くの人々にとって、人生のターニングポイントとなる作品になった」 私は知らなかったのですが、当時のドイツでは酷評されたんだそうですね。あれは立派な反戦映画だと思うのですが、どこがいけなかったんだろ?なすびさん、U99さん、もし見ていらっしゃいましたら理由を教えてプリ~ズ。一方、この作品はアメリカでは絶賛され、数多くの部門でオスカーにノミネートされましたよね。監督によると、あれでドイツに嫌気が差してハリウッドに移ったんだとか。

 ハリウッドに活動の場を移してからの活躍は、よく知られていますよね。あれから30年近く経ち、監督にも心境の変化が訪れたようです。もう一度、ドイツやヨーロッパのテレビ向けにシリーズ物の大作を作りたいと。ただし「U・ボート」の続編は今後も絶対に撮らないと明言しています。撮れば、あの映画の名声に傷をつけてしまうだけ、と。ドイツに戻ってTV向け作品を撮りたい、というのはやはり、「U・ボート」がもともとTVドラマだったからでしょうか。TVを嫌って劇場映画に絞る監督が多い中、ペーターゼン監督は自分の原点を忘れていないんだな~と思います。
by Alichen6 | 2008-03-26 08:39 | ドイツ映画 | Comments(2)

ドイツ映画 Die Welle


 昨夜、ドイツ映画関係のニュースを聴いていて、また新作映画が公開されたことを知りました。早速トレーラーを見ましたら、またユルゲン・フォーゲルが主演と判明。売れっ子だなぁ~。

Die Welle 公式HP → コチラ

監督:デニス・ガンゼル

出演者:ユルゲン・フォーゲル、マックス・リーメルトなどなど

 監督はデニス・ガンゼル。実は先日、mau さんに薦めていただいて同監督の「エリート養成機関 ナポラ」をDVDで見たばかりでした。さらにその前の作品「GIRLS★GIRLS」は未見なのですが、この監督さんは若者が出てくる映画を得意としているのかな。(余談ですが「ナポラ(NaPolA)ってナンジャラホイ? → Nationalpolitische Lehranstalt の略で、ナチス時代に作られた寄宿舎制ギムナジウムのことだそうです。エリート養成機関だったそうですね。ナボナの姉妹品というわけではないので、そこんとこヨロシク。)

<HPに書いてあった簡単なあらすじ>
ギムナジウムの教師ライナー・ヴェンガーが、生徒たちに独裁がどんなものかを理解させるためにある実験を行うそうです。それは、実際にギムナジウムに独裁を持ち込んで生徒たちを厳しく訓練するというものでした。最初は遊び半分で実験に参加していた生徒たちも、次第に現実と非現実の区別がつかなくなり、やがてギムナジウムは制御不可能な状態へ・・・

 このあらすじだけ読むと、「es (原題:Das Experiment)」を思い出しますわ~。リアルな実験を行っているうちに、現実と非現実の区別がつかなくなって暴走してしまうといったあたりが似ているような・・・。俳優のユルゲン・フォーゲルは引っ張りだこですね。昨年東京で開催されたドイツ映画祭でも彼の出演作が何作も上映されていました。すきっ歯で不思議な兄ちゃん(というより、もうオッサン)です。ハンサムとはほど遠いけど、一度見たら忘れられないキャラ。上述の「ナポラ」を見たとき、主役の若者2人がちょっとカワイイかも♪ と思っていましたら、今回の作品にも片方が出演しているようですね。日本で公開されるといいな~。「ドイツ人と独裁」というのはデリケートな問題ですので、日本でも公開されるような気がします、ハイ。
by Alichen6 | 2008-03-18 07:42 | ドイツ映画 | Comments(2)

 昨日、俳優モーリッツ・ブライプトロイの件で takuya さんとコメントをやりとりしているうちに気づきました。ブライプトロイも何度か一緒に仕事をしている Fatih Akın 監督の名前の読み方についてです。外国の名前の日本語表記って難しい問題で、たびたび頭を悩ませてくれます。まして非ドイツ語の名前ですと、お手上げのことも・・・

 日本では「ファティ・アキン」と呼ばれることが多いような気がして、私もそう表記しておりました。takuya さんは、ドイツで呼ばれるように「ファティフ・アキン」と書いておられます。げげっ 「フ」が入るのね~~~知らなかった! 検索しているうちに見つけたのが例によってウィキの記事。引用させていただきますね。

『彼のトルコ系の名前はトルコ語に慣れない者には読み方に困難を伴い、「ファティ・アキン」、「ファーティー・アーキン」など様々に呼ばれておりカタカナ表記に混乱が見られるが、彼の母語の一つであるトルコ語の文法に従えば「ファーティフ・アクン」という表記がもっとも正確に近いと思われる(彼の姓は「Akin」ではなく「Akın」である)。ただし「母国」のドイツでも一般には「ファーティフ・アキン」と呼ばれている。』(以上、ウィキペディアより引用)

 アキン監督はトルコ系なので、トルコ語の発音に従った日本語表記がよいとも思われますが、トルコ系といってもあくまでもドイツ人(ein deutscher Filmregisseur türkischer Abstammung)であることを考えると、ドイツ語の発音に従った日本語表記が妥当とも思われます・・・う~ん、フクザツ。本人が自分の名前をどう発音しているかが分かれば一番よいのですが。

 なお、「I」 に似ているトルコ語の「ı」。覚えがあります。「Kumkapı」というトルコの地名の表記に迷ったことがありました。「クンカピ」かな~と思っていたのですが、トルコ語ができる方に教えていただいたところ、「クムカプ」が正しいとのこと。それ以外にもトルコ人の名前がたくさん出てくる映画だったのですが、私の「読み」はことごとく外れ、トルコ語の表記の難しさを感じました。やっぱりこういうのはその国の言葉ができる方に伺うのが一番だと思った次第です。

 名前の表記でもう一つ、思い出しました。先日のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「ヒトラーの贋札」。主演の俳優は Karl Markovics といいます。綴りからして東欧系の名字でしょうね。ドイツ系の名前ではないです。たまたま別件でこの名前を日本語表記にすることがあったのですが、私は日本で定着している「カール・マルコヴィクス」と書きました。その数日後、ドイツ語のニュース(ポッドキャストだよ~ん)を聞いていたら、「マルコヴィッチ」と発音されているのに気づき、「しまった・・・」と思って訂正をお願いした次第です。外国語系の名前は難しいのだ~。(アメリカ映画に「マルコヴィッチの穴」という面白い作品がありましたが、あのスペルは「Malkovich」でして、ビミョ~に違いました・・・)

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 話はアキン監督に戻りますが、ドイツでの発音に従い、これからは「ファティフ・アキン」と書くことにいたします。大変失礼いたしましたm(_ _)m
by Alichen6 | 2008-03-17 07:35 | ドイツ映画 | Comments(6)

 実はこのところ、モーリッツ・ブライプトロイづいております。別にファンだというわけではないのですが、なぜかよく目にするうちに気になるようになってしまいました。

e0141754_2151638.jpg 初めて「お? この人、ちょっと普通の人と違うかも」と思ったのは『es (原題:Das Experiment)』でした。模擬刑務所の中で刑務官と受刑者に分かれてロールプレイングをしているうちに、現実と非現実の区別がつかなくなって事態は最悪の方向へ向かう、という実話を元にした映画です。特にハンサムでもないし、唇はタラコちゃんでオバQみたいだし、背もドイツ人の割に低いし・・・。だけど「お調子者で親しみが持てる雰囲気」「純粋さ」そして「影」が同居しているように思えました。見ているうちに、「あ、この人って『ラン・ローラ・ラン(原題:Lora rennt)』に出てた兄ちゃんだ~」と思ったワケです。

 コチラ(ドイツ語)にいろいろ載っています。1971年生まれ(36歳)、両親ともに俳優で(母親は『4分間のピアニスト』で熱演を見せたモニカ・ブライプトロイ)小さいころからテレビに出ていたそうです。父親は2歳の時に家を出、その悲しい出来事が彼に大きな影響を与えたとのこと。学校を中退、オーペア(家事手伝いなどをして外国の家庭にステイすること)でフランスへ。その後アメリカにわたり、演技の勉強を続けます。ところがそこでイタリア人の女性に恋をし、彼女を追ってローマとヴェネチアへ。この一途さ、『太陽に恋して(原題:Im Juli)』と重なりますな。この映画では、トルコ人女性に一目ぼれした青年が彼女を追ってイスタンブールへと行くわけですが、その純粋さ、不器用さ、切なさが表情によく表れていて、見ていて「きゅん」となっちゃいました。

 その後、イタリア女性との恋が成就したかどうかは分からないのですが、とにかくブライプトロイは21歳で初舞台を踏みます。その後もテレビ映画などでの出演を重ねました。彼の名前を一躍有名にしたのが、トム・ティクヴァ監督の話題作「ラン・ローラ・ラン」だったそうです。オスカー・レーラー監督の「アグネスと彼の兄弟」「素粒子」と、2連チャンで性欲を抑えられない兄ちゃんを演じたため、「これがひょっとして彼の地とちゃうか?」と思ったりしてしまったのですが、前言撤回します。やっぱり最初に抱いた印象どおり、本当は純粋で一途で映画が大好きな俳優さんなのではないかと思います。記事によると、以前は「おバカ」「愚直」といった役どころが多かったたそうです。そういう役を演じるのは嫌いではないけど、そのイメージが定着するのは嫌なんですって。そうですよね。役者なら誰だっていろいろな役を演じてみたいと思うでしょうから。

 モーリッツ・ブライプトロイのフィルモグラフィ~全部を挙げるとキリがなくなってしまうので、日本で公開された作品のうち、特にメジャ~になったものだけ挙げさせていただきますね↓

     ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年)
     ラン・ローラ・ラン(1998年)
     ルナ・パパ(1999年)
     太陽に恋して(2000年)
     es [エス](2001年)
     アグネスと彼の兄弟(2004年)
     ミュンヘン(2005年)
     ストーン・カウンシル(2006年)
     素粒子(2006年)などなど多数

takuya さんお薦めの「Solino (ファティ・アキン監督)」は残念ながら日本では未公開の様子。それともどこかで公開されたのでしょうか? 見たいな~残念!
by Alichen6 | 2008-03-16 00:00 | ドイツ映画 | Comments(12)

e0141754_10331430.jpg ちょっとマイナ~な話ですみません。映画「U・ボート」の中で出てくるセリフです。ご覧になった方じゃないと分からない内輪の話ですんません。敵の魚雷を受け、満身創痍、ボロボロの状態でいったんは海底に沈んでしまったUボートですが、乗組員たちが夜を徹して修理にあたり、なんとか浮上します。もうダメだと思われたエンジンが再び元気よく動き始めたとき、機関長が口にしたセリフがコレなのです。

Na, wer sagt's, dass Marmelade keine Kraft gibt?

直訳すると「ジャムじゃ力が出ないなんて誰が言ったんだ?」。でもね、前後にジャムを食べるシーンなんてなかったし、あまりに唐突で意味が「???」でした。だけど最近、もう一度検索し直してみて意味が分かった・・・! Zu spät. orz...

…これってポーカーなどのトランプをしている際によく言われる言い回しだったようです。下のサイトによると、wenn man unerwartet einen Stich macht (意表を突いて相手のカードを取ること)の際に言う、とありました。「ボクがダメだと思ってもらっちゃ困るんだよね~」とか、「ボクのこと、なめてもらっちゃ困るんだよね~ 実は力があるんだよ~」といったニュアンスかと。
トランプの際によく言われる言い回し → コチラ

こうした言い回しには、「ジャムでは力が出ない」という「常識」があることが前提になりますよね。検索した結果、それらしき言葉は1つしか出てこなかったのですが、これかな?というのはありました。

Marmelade, Muss und Saft gibt 'nen Hucken Schiete, aber gibt wenig Kraft.
(ジャム、ムース(=ピューレ)、果汁はお通じにはいいけど力にはならない)

これが一般的に知られていることだとしますと、「ジャムじゃ力が出ない」につながってきますよね。たぶんこれじゃないかなぁ~と私はにらんでます。

で、結論。機関長はあのシーンで「ボロボロのUボートはもう浮上できないって誰が言ったんだ?」「おれたちがもうダメだなんて、誰が言ったんだ?」「おれたちをなめてもらっちゃ困るよ~」といった意味を込めてあのように言ったんでしょうね。翻訳するときは、絶対にあきらめることなく調べ物をしなきゃいけない、と心から反省した次第です・・・。以上、内輪話でした。
by Alichen6 | 2008-03-10 07:58 | ドイツ映画 | Comments(39)

 以前、古いほうのココログブログでもご紹介した映画「Baader-Meinhof Komplex」の画像をYouTubeで見つけてしまいました。70年代に世界を震撼させた極左テロ集団たちを描いた映画で、今年の秋にもドイツで公開されるそうです。リーダー格のアンドレアス・バーダーとウルリーケ・マインホフの名前をとってそう呼ばれていたようですね。見たい、見たいわ、見たすぎる~。出演者が豪華絢爛。残念ながらエキサイトブログではYouTubeを直接貼り付けることはできないそうなので、お手数ですがクリックしてご覧になってくださいまし↓

キャストのYouTube画像 → コチラ

そのほかのキャスト → コチラ

ね、ね、すごいっしょ。主役のアンドレアス・バーダーを演じるのがモーリッツ・ブライプトロイ、ウルリーケ・マインホフがマルティナ・ゲデック。そのほかにも「4分間のピアニスト」で鮮烈スクリーンデビュ~を果たしたハンナ・ヘルツシュプルングのお顔も見えます。素顔は童顔でかわいらしいのに、こうした荒んだ役柄がなぜか似合いますな。「ベルリン 僕らの革命」で主役3人組の1人として出演したスタイプ・エルツェッグのお顔も。ナディヤ・ウールも出るんだ~。フォルカー・シュレンドルフ監督の「Die Stille nach dem Schuss」で西側に憧れる東独の少女の役を演じていましたが、この映画を見て以来、この女優さんはいいな~と密かに思っておりました。この人も、荒んだ役や薄幸の女性役をやらせたほうが持ち味が生きるような気が・・・(私が勝手に抱いた印象ですが) 名優ブルーノ・ガンツの顔も見えますね。わ~い♪ 公開が楽しみです。

******************
Baader-Meinhof Komplex ってナンジャラホイ? 例によってウィキから引用させてください。彼らの活動は70年代のドイツ社会に暗い影を落としたそうで、しばしば映画でも「RAF」という言葉で出てきます。
『ドイツ赤軍、バーダー・マインホフ・グルッペ(Rote Armee Fraktion, RAF, Baader-Meinhof Gruppe)は、第二次世界大戦後のドイツにおける最も活動的な極左民兵組織、テロ組織であった。同組織は1970年代から1998年まで活動を行い、20年以上の活動で多数の著名ドイツ人を殺害した。』(以上、ウィキペディア「ドイツ赤軍」の項目より引用)

『アンドレアス・バーダー(Andreas Baader、1943年5月6日 - 1977年10月18日)は、西ドイツのテロリスト。ドイツ赤軍の創設者、指導者の一人。

ミュンヘン出身。高校を中退後、犯罪に手を染めるようになり、1968年にウルリケ・マインホフ、グドルン・エンスリンらと極左地下組織「バーダー・マインホフ・グルッペ」(後にドイツ赤軍と改称)を結成し銀行強盗、爆破、誘拐、窃盗などあらゆる犯罪に手を染めた。1970年にレバノンのPFLP訓練施設で数人の仲間とともに戦闘訓練を受け、1972年5月には西ドイツ各地で連続15件の爆破事件を起こした。

1972年6月1日、フランクフルトで銃乱射をして逮捕され、シュトゥットガルトのシュタムハイム刑務所に収監された。ドイツ赤軍は彼を釈放させるために1977年10月にはルフトハンザ機をハイジャックしたが失敗。これに絶望してか他の二人の仲間と共に獄中でピストル自殺をした。獄中でなぜピストルが手に入れられたかなど現在でも真相は不明である。』(以上、ウィキペディア「アンドレアス・バーダー」の項目より引用)
by Alichen6 | 2008-03-05 00:31 | ドイツ映画 | Comments(2)

 今頃になって書くのもお恥ずかしいのですが、昨年公開されたドイツ映画 『素粒子』をようやく見ました…。今頃何言ってるの?もう見ちゃったよーという方も多いと思います。自分用のメモも兼ねて書かせてくださいませ。実は今回、同じオスカー・レーラー監督の作品『アグネスと彼の兄弟』も一緒に借りて連続で見たのです。出演者もかなりカブっていますし、根底に流れるものがよく似ていて、ちょいと「ギョギョっ」となりました。

 じっくりあらすじを書く時間がないので、昨年公開された時の劇場「ユーロスペース」さんのHPから引用させていただきます。

以下引用
『「人生は期待に満ちていて、それを裏切る」
幼い頃、両親に養育放棄された異父兄弟―国語教師の兄・ブルーノと、生物学者の弟・ミヒャエル。ブルーノは結婚生活を送る満たされない愛の欲求を強烈な性的欲望にすりかえ、ヒッピー集団のキャンプや風俗クラブへ出向くようになる。一方、天才的な研究者として隠者のような生活を送るミヒャエルは、クローン技術を応用した人間の進化の方法を模索する。そんな二人に転機がおとずれる…。現代社会の恐ろしいほどの愛の欠如と絶望感を、ユーモアと悲哀を交えて痛烈に描いた問題の恋愛劇。』
(以上、ユーロスペースのHPより引用)

 母の愛を知らずに育った兄弟は、まったく違う道を歩みます。特に兄のブルーノは精神を病み、満たされない思いに苦しみながら紆余曲折の人生を歩んでいます。最後は救いを求めて精神科に自ら戻っていくわけですが、その過程の描き方・演じ方は見ていて心にしみます。ネタバレしてしまうので詳しくは書けませんが、病院の廊下のシーンではワタシったら涙がボロボロ・・・。期末試験のため、早く帰宅した子供が「ギョッ」と驚くほどボロボロ・・・ 「愛」「死」「苦しみ」「孤独」といった重苦しいテーマなのですが、エンディングで救われるような気持ちになります。

*****************************
 話題になった映画なので、ご覧になった方も多いと思いますが、もしまだ見ていらっしゃらなかったらご覧になってみてくださいまし。モーリッツ・ブライプトロイが「性的欲望を抑えられない男性」を演じるのは「アグネスと彼の兄弟」以来2度目ですが、これが彼の地とちゃうか?と思うくらい上手。平たく言えば、「ヘンタイの役」ってことです、はい。弟のミヒャエルを演じたクリスティアン・ウルメンも晩熟(おくて)の天才学者っぽい雰囲気を出していましたが、むしろ若いころのミヒャエルを演じた若手俳優さんが光っていたように思います。「クレイジー」「アグネス~」でも出演していたトム・シリングという俳優さんです。うっしゃー 目をつけておこうっと。

 そのほかにも出演者がゴーカでした。私が好きなヘルベルト・クナウプというおじ様(「善き人のためのソナタ」でシュピーゲル誌の記者役でした)、コリンナ・ハルフォーフ(「ヒトラー、最期の12日間」でゲッベルス夫人役を熱演)など、大物がゴロゴロ。「善き人のためのソナタ」「マーサの幸せレシピ」のマルティナ・ゲデックは、場末チック・孤独・物悲しく荒んだ役を演じさせると天下一品だと思ってしまいました。自由奔放な母を演じたのは、ニーナ・ホス。「イェラ」「マサイの恋人」といった作品に出演していました。華があって美しい女優さんです。

 今頃こんなこと書いてホントお恥ずかしいのですが、自分用のメモも兼ねて書いちゃいました。大人の話なので、「大人のシーン」もてんこもりなのですが、不思議といやらしい感じは受けませんでした。原作はかなり難解だといううわさですが、ぜひ読んでみたいと思った次第です。
by Alichen6 | 2008-03-03 14:24 | ドイツ映画 | Comments(14)

 年初から公開中の「ヒトラーの贋札」を見てきました。アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したということで、さぞかし混んでいるのでは・・・と思ったのですが、朝一番の回だったこともあり、結構すいておりました。

<簡単なあらすじ>
 ユダヤ人のサリーは天才的な腕を持つ印刷工。その技術を生かして偽札や偽造パスを作り、その名を世界に知らしめていました。しかしそんなサリーもお縄となり、強制収容所送りとなります。そしてほかのユダヤ人収容者と同様、過酷な労働を強いられ、仲間が次々と死んでいく中で屈辱と恐怖の日々を送っていました。ところがある日突然、ザクセンハウゼン収容所に移送されます。偽札を流通させることで敵国の経済に打撃を与えようとする「ベルンハルト作戦」のためでした。

 同じ印刷工の収容者ブルガーはサボタージュや団結をサリーたちに呼びかけ、ナチスに抵抗しようと試みますが、サリーはおとなしく偽札を作ることで少しでも生き延びる道を選びます。彼らが収容所内の作業所で作ったポンド紙幣は見事イギリスの銀行の検査をすり抜け、その精巧さを証明することになります。次に作るのはドル紙幣。ところがブルガーのサボタージュにより、なかなか完成に至らないまま時が過ぎていきました。

 完成を急ぐナチス側はサリーたち印刷工に圧力をかけるようになります。サボタージュを続けるブルガーに賛同できないサリーでしたが、正義を全うしようとする彼の主張に多少なりとも共感を覚えるのでした。結核を患う若いユダヤ人収容者コーリャを気遣い、ほかの収容者とも仲間意識が芽生え、サリーは自分だけ生き残ればよいとは思えなくなります。しかし運命は過酷でした…

************************
 監督は「アナトミー」「アナトミー2」などで知られるシュテファン・ルツォヴィツキー。この監督はドイツ人ではなく、オーストリア人だったんですね。私ったら今回初めて知りました。てっきりドイツ人かと。主人公サリーを演じたのはオーストリアの人気俳優カール・マルコヴィッチ。実はこの俳優さんの出世作をごく最近見ることがありました。だもんでこの映画を観るのを楽しみにしていたのです。出世作となったドラマでの役柄は「お人好しで少々ヌケたところのある刑事」。このイメージが強かっただけに偽札造りの悪党には見えませんでした・・・。ブルガーを演じたのはドイツの人気若手俳優アウグスト・ディール。ちょっと神経質かつ繊細で、気難しい若者を演じさせればピカ一ではないかと思います。親衛隊将校を演じたのは、「イェラ」「厨房で逢いましょう」でも出演したデーヴィト・シュトリーゾフ。この人も最近、ちょくちょく見かけるような気がします。

 「アナトミー」のときも感じたのですが、ルツォヴィツキー監督はセットの細部までこだわる監督さんのようです。小道具一つ一つに至るまでおそらく正確な時代考証のもとに作られたのではないかと思われます。ついつい細かいところに目が行ってしまいました。ベッドのスプリングってこんなだったのね、とか、偽札の原版ってこうやって作るのね、とか。実話をもとにしているだけに話はリアリティに満ちています。収容者たちの言動に目を光らせるカポ(kapo:強制収容所でほかの囚人を監督する囚人)の非情な振る舞いに私まで腹を立て、収容者が殺されるシーンでは思わず目をおおいました。欲を言えば、主人公サリーの心情にもっと迫ってほしかったな~。精神が極限状態にある、というのがもっと伝われば、よりリアルになるんじゃないかと。何となく感情移入しきれぬまま終わってしまった感もあります。もちろん、私の個人的な感想なのですが。

 なお、ブルガーは実在の人物をモデルにしています。お年は90を超えるそうですが、ご健在とのこと。妻がアウシュヴィッツで死んだのは自分のせいだとの自責の念にかられ、過去の呪縛から立ち直るのに40年を要したとのこと。高齢ながら昨年来日を果たし、語り部としての責務を果たすべく、日本でも自らの経験を語ったそうです。この方については過去ログ → コチラを。
by Alichen6 | 2008-02-27 15:59 | ドイツ映画 | Comments(4)