k.k. と k.u.k.
調べ物をしておりまして、ふと訳に困った言葉が出てきました。音楽にお詳しい方はよくご存じだと思うのですが、クララ・シューマンがまだクララ・ヴィークだったころ、ウィーンで
die kaiserlich-königliche Kammervirtuosin という称号を得ました。直訳しますと、「帝室-王室・宮廷・名演奏家」。これって最高の栄誉だったんだそうです。時は1838年。ハプスブルク家が支配するオーストリア帝国でのお話です。帝国なのに、なんで「königlich(王室)」がつくんだろ?
ちょこっと調べましたところ、オーストリア帝国では、帝国レベルの官庁や機関などには kaiserlich-königlich という形容詞がついてたみたいですね。略すとk.k.。でも缶詰ではなかったりします。ご存じの方も多いと思いますが、かの帝国は複数の王国や公国をかかえる多民族国家でした。königlich というのは、特にボヘミア王国を指していたんだそ~です。クララが称号を受けたのはまさにハプスブルク家の時代。だから国が授ける称号にも königlich がついてたんですな。知らなんだ。
で、さらに複雑なのは K.u.K. というヤツ。これを知ったのは、実はオーストリアの有名なお菓子屋さん、DEMEL のロゴに書かれたK.u.K。さらに、オーストリア宮廷料理の店 レストランK.u.Kでも出てきて気になっておりました。いつか行ってみたいと前から思っております。が、いまだ実現せず。
K.u.K.(またはk.u.k.) というのは、kaiserlich und königlich の略でして、1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国が発足(いわゆるAusgleich)してから使われるようになったんだそうです。こっちの königlich は、ハンガリー王国を指すんだそうな。二重帝国発足の1867年以降は、k.k. だとハンガリーを除いたオーストリアの西半分、k.u.k.だと、オーストリア=ハンガリー二重帝国全体を指す、という風に使い分けられるようになったんだそうです。ややこしや~ ややこしや。
*******************
話は再びクララ・ヴィークの称号に戻ります。さて、これをどう訳せばいいんだか。検索してみたのですが、定訳はなさそうなのです。「帝室演奏家」「帝室名演奏家」「王宮廷内室内楽演奏家」など、いろいろ見つけてしまいました。一番最初のがスッキリするのかなぁとも思います。まだ迷い中・・・。
3月22日 追記:
コメント欄で教えていただいたのですが、モーツァルトは「k.k. Kapellmeister」と名乗っていたんだそうですね。知りませんでした・・・(恥) このk.k.をこの場合はどう訳してるんだろう?と検索しましたところ、「皇王室」という訳語を見つけました。うーん、そのままの訳なのですが、ちょっと違和感があるなぁ・・・。
die kaiserlich-königliche Kammervirtuosin という称号を得ました。直訳しますと、「帝室-王室・宮廷・名演奏家」。これって最高の栄誉だったんだそうです。時は1838年。ハプスブルク家が支配するオーストリア帝国でのお話です。帝国なのに、なんで「königlich(王室)」がつくんだろ?
ちょこっと調べましたところ、オーストリア帝国では、帝国レベルの官庁や機関などには kaiserlich-königlich という形容詞がついてたみたいですね。略すとk.k.。でも缶詰ではなかったりします。ご存じの方も多いと思いますが、かの帝国は複数の王国や公国をかかえる多民族国家でした。königlich というのは、特にボヘミア王国を指していたんだそ~です。クララが称号を受けたのはまさにハプスブルク家の時代。だから国が授ける称号にも königlich がついてたんですな。知らなんだ。
で、さらに複雑なのは K.u.K. というヤツ。これを知ったのは、実はオーストリアの有名なお菓子屋さん、DEMEL のロゴに書かれたK.u.K。さらに、オーストリア宮廷料理の店 レストランK.u.Kでも出てきて気になっておりました。いつか行ってみたいと前から思っております。が、いまだ実現せず。
K.u.K.(またはk.u.k.) というのは、kaiserlich und königlich の略でして、1867年にオーストリア=ハンガリー二重帝国が発足(いわゆるAusgleich)してから使われるようになったんだそうです。こっちの königlich は、ハンガリー王国を指すんだそうな。二重帝国発足の1867年以降は、k.k. だとハンガリーを除いたオーストリアの西半分、k.u.k.だと、オーストリア=ハンガリー二重帝国全体を指す、という風に使い分けられるようになったんだそうです。ややこしや~ ややこしや。
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話は再びクララ・ヴィークの称号に戻ります。さて、これをどう訳せばいいんだか。検索してみたのですが、定訳はなさそうなのです。「帝室演奏家」「帝室名演奏家」「王宮廷内室内楽演奏家」など、いろいろ見つけてしまいました。一番最初のがスッキリするのかなぁとも思います。まだ迷い中・・・。
3月22日 追記:
コメント欄で教えていただいたのですが、モーツァルトは「k.k. Kapellmeister」と名乗っていたんだそうですね。知りませんでした・・・(恥) このk.k.をこの場合はどう訳してるんだろう?と検索しましたところ、「皇王室」という訳語を見つけました。うーん、そのままの訳なのですが、ちょっと違和感があるなぁ・・・。
by Alichen6 | 2009-03-22 00:06 | ドイツのこと | Trackback | Comments(12)
モーツァルトもk.kの楽長なんて書いていますね。
★たぬきさん おはようございます。コメントをありがとうございます。さすがたぬきさん、よくご存じですね!恥ずかしながら、モーツァルトが自分をそう呼んでいたとは存じませんでした・・(恥) 検索しましたら、k.k. Kapellmeister という言葉が出てきました。コレですね。これは日本語でどういうんだろ?とさらに検索しましたら、「皇王室楽長」みたいな言葉がヒット。うーん、難しいですね。「皇王室」はまさにそのまま訳したのでしょうが、日本語では一般的に「オーストリア帝国」とか「ハプスブルク帝国」などと呼ばれていることを考えると、「帝室」だけでいいのかなぁという気もしたり。悩みます・・・
たしかに Kammermusik は「室内楽」ですが、この場合の Kammer-は、宮廷の、王室の、といった意味合いのような気がします。気がするだけで、きちんとした典拠を示せるわけではないのですが…。なので、三つの候補の中では、前2つのほうが良いかと。
★takuya さん こんにちは~。コメントありがとうございます。Kammer-、確かにそうですよね。Kammerdiener とか Kammermaedchen とかもありますしね。つい、Kammermusikを連想して「室内楽」と書いちゃいましたが、確かにそうでした。「帝室演奏家」が一番すっきりしていていいかな、と私も思っています・・・。時代背景をきちんと把握していないと理解が難しい言葉ですよね。
Kammermusik についてはこんなことがあったんです。(↑リンク)そう言えば、今はこの文章はどこにも出してなかったなと思ってアップしました。ご参考まで。
# URLに日本語が入るようにしたら、ここのURL欄では受け付けてもらえないんですね。最新記事なので、トップページからどうぞ。
# URLに日本語が入るようにしたら、ここのURL欄では受け付けてもらえないんですね。最新記事なので、トップページからどうぞ。
★takuya さん コメントありがとうございます。早速拝見しました!コメント欄にも書いたのですが、Kammer と聞くと4畳半くらいかな?と思ってしまうワタシのなんとショボいこと・・・。今、クララ・シューマンとロベルト・シューマン、ヨハネス・ブラームスの三角関係について調べているのですが、まるでドラマみたい・・・!まさに Romantik、モロ romantisch だと思ってしまいました・・・。
そこらへんの話、Peter Härtling の小説、 "Schumanns Schatten" が面白いですよ。(↑ amazon.jp のリンク)…と言いながら、他のことに時間を取られて、まだ最後まで読んでいないんですけど。
★takuya さん こんにちは~。コメントありがとうございます。本のご紹介もありがとうございます。コメント欄にURLを貼り付けられなくてご不便をおかけします・・・。早速拝見しました。タイムリーな本ですね♪ ありがとうございます。美しいナスターシャ・キンスキーがクララ役で出ていたFruehlingssinfonie は見ていて結婚をめぐる裁判騒動などは存じていたのですが、まさかブラームスがここまで絡んでくるとは存じませんでした・・・!事実は小説より奇なり。ビックリです。
Frühlingssinfonie! ナスターシャ・キンスキー! そんな映画があったんですね。知らなかった。 orz
キンスキーのクララって、微妙にイメージズレそうな気も。
ヘルトリングは、シューベルトの伝記小説と、児童文学何冊かは日本語になっているようです。このシューマンのやつを日本語にするのはかなり厄介かも。
キンスキーのクララって、微妙にイメージズレそうな気も。
ヘルトリングは、シューベルトの伝記小説と、児童文学何冊かは日本語になっているようです。このシューマンのやつを日本語にするのはかなり厄介かも。
★takuya さん、昨日はコメントをありがとうございました。Fruehlingssinfonie、もしかしてもう検索なさったかもしれませんが、詳しいサイトを見つけましたのでURL欄に貼り付けました。ご覧になってみてくださいね。ナスターシャ・キンスキーがめちゃくちゃキレイです。シューマンがヘルベルト・グレーネマイヤーなのですが、これもハマリ役。でも私が一番「うまい!」と思いましたのは、父ヴィーク役の俳優さんでした。すごーくうまいです。「交響曲 春」が、邦題だと「哀愁のトロイメライ」になっちゃうのは、やっぱり後者の曲のほうが日本人にはなじみがあるからなんでしょうね。。。
情報、ありがとうございます! 「哀愁のトロイメライ」のセンスは
なんか、イヤですねえ。「春の交響曲」のほうがまだマシかな。
ナスターシャ・キンスキー、考えたら、僕はヴェンダース映画でしか見ていないかもしれません。クララにするには目ヂカラがありすぎるのではないかと予想するのですが…。DVD、今度観てみます。
なんか、イヤですねえ。「春の交響曲」のほうがまだマシかな。
ナスターシャ・キンスキー、考えたら、僕はヴェンダース映画でしか見ていないかもしれません。クララにするには目ヂカラがありすぎるのではないかと予想するのですが…。DVD、今度観てみます。
★takuya さん こんばんは~。コメントありがとうございます。そーなんです。「哀愁のトロイメライ」ってちょっと陳腐というか・・・^^; でも「春の交響曲」だと、それを聞いてもシューマンが思い浮かばなかったりしますもんね。そういえば子供のころ、「トロイメライ」って、「トロイ-メライ」という風に真ん中で切れるのかと思っておりました。これが Träumerei だったんだーと分かったのは、大学に入ってからでした・・・。ナスターシャ・キンスキーよかったですよ。クララってもっと繊細でお嬢様お嬢様した人かと思っていたのですが(お札の肖像画のイメージが強くて)、調べてみましたら相当芯のしっかりした女性だったみたいですね。晩年のシューマンは相当壊れてたんですね・・・



