吹き替えと字幕
2008年 04月 12日
かなり前の話ですが、ドイツ人の知り合いからメールが来ました。TVで日本映画が放映されたんだそうですが、その吹き替えが「katastrophal (すさまじい、オソロシイ、サイアク)」だったんだそうな。口の動きと吹き替えのセリフがまったく合っていなくて、それが気になって仕方がなかったとのこと。彼いわく「日本語とドイツ語は言語構造がまったく異なるから、完璧な吹き替えは不可能だ」と。ただ、英語やドイツ語の映画を見事な日本語吹き替え版にへんし~んさせてしまう翻訳者さんを私はよく存じていますので、これは単にそのドイツ語吹き替え版を担当した方の責任では・・・とついつい思ってしまいましたぜ。
話はそれるのですが、日本語って字幕に合う言語だよな~とつくづく思います。表意文字と表音文字の両方を使えるというのは強みですよね、やっぱし。以前、中国語字幕が載った映画を見たことがありました。俳優さんはだだだだーーーーーっとしゃべっているのに、それに対する漢字の字幕が数文字だけだったりして驚きました。表意文字だからできる技だと感心したわけです。と同時に、英語の固有名詞などの表記ではやっぱり工夫が要るんだろうな、とも思いました。日本語の場合、横文字はカタカナでOKだし、漢字数文字でかなりの意味を表現できちゃう・・・。
・・・なーんて、私が今さら書かなくても当たり前のことではあるのですが、先日もドイツ人の友人からきっぱりと「字幕はキライ」と言われてちょっと悲しかったので、ここでこっそり反論しちゃいます。日本語は字幕に合う言語だと私は思ってしまうのでありました。それに俳優さんの声が聴けるのは嬉しいですよね。「イッヒ・リーベ・ディッヒ」はやっぱり「愛してるよ」じゃなくて、原語のまま聴きたい♡ 「しゃ●せ!」も「くそ!」じゃなくて、原語のままのほうが迫力あるのだ~。
ただ、複雑なストーリーのときは、やっぱり吹き替えのほうが分かりやすい。結局は観る人の好みということでしょうか。