3月12日
2008年 03月 12日
オーストリアのナチ党員たちはドイツとの合併を強く望んでいたものの、国民の中にはまだまだ反対意見があったとのこと。ドイツからの圧力にさらされた首相シューシュニク(Schuschnigg) は最後の切り札である国民投票を行い、ドイツ帝国との合併の是非を国民に問うことにしました。ところがそれを知ったヒトラーは国民投票を中止させるとともに、3月12日に国防軍をオーストリアへ送り、翌日にはオーストリアを併合してしまいます。
その後の4月10日、ドイツ(併合後のオーストリアも含む)で国民投票が行われたとのこと。オーストリア併合を支持するか否かを問う内容だったようです。結果は99%以上が「Ja」。ちなみに、この国民投票の用紙では「Anschluß (併合)」ではなく、「Wiedervereinigung (再統一)」という言葉を使っているんですね・・・。なんで「Ja」のチェック欄のほうが大きいんだ?
中身を書きだしちゃいますね:Bist Du mit der am 13. März 1938 vollzogenen Wiedervereinigung Österreichs mit dem Deutschen Reich einverstanden und stimmst Du für die Liste unseres Führers Adolf Hitler?
ドイツ語の話になりますが、Anschluß, anschliessen と聞くと、やっぱり「●●を▲▲に接続する」「●●を▲▲に併合する」というイメージがあります。原語で聞くと、ドイツがオーストリアを「併合する」というイメージが頭に浮かびますよね。だけど上の国民投票の用紙にはあくまでも「Wiedervereinigung」という言葉を使ってる…。やっぱりAnschluß と Wiedervereinigung ではイメージがかなり違うんだろうなぁ~。(この写真、「パブリックドメイン」と書いてあったので、ウィキからいただいてきてしまったのですが、マズいかなぁ・・・。もしマズいようでしたら教えてくださいまし。)
ちなみに東西ドイツの再統一でも「Wiedervereinigung」という言葉を使いますよね。「●●と▲▲が一つになる」というイメージ。実質上は西が東を吸収したとも言われたりしますが、やっぱり言葉の上では対等の国どうしが1つになった、というイメージのほうがいいですよね。