ドイツ映画 『Kundschafter des Friedens』

またまた観た映画の感想です。ベルリンで見た映画をまだUPしていないのですが、こっちがとっても面白かったので先に載せちゃいます。某所にすでに書いたものなので、二度目の方は申し訳ありません。

実は~ エアフルトで見てしまったでございます。政治犯収容所を見学したあとに映画というのもアレなのですが…。全国展開している立派なシネコン CineStar でした。エアフルトの CineStar はスクリーン数が8、座席数の合計が2158席。
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上映していない時は星空になっています。こういうのは日本でも見たことがありますが、お客さんの髪が反射しているのはドイツですねー。黒髪の日本じゃ、こうはなりません…。

さてさて、観た映画のご紹介です。すっごく、すっごく面白かったので、日本に来てくれるといいなぁ。

できればご縁も…(本音)




「Kundschafter des Friedens」
監督:ローベルト・タールハイム
出演:ヘンリー・ヒュプヘン、ヴィンフリート・グラツェーダー、ミヒャエル・グヴィスデック、ユルゲン・プロホノフ、


 もー、最高でした!タイトル「Kundschafter des Friedens」は、直訳すると「平和の(ための)スパイ」ですが、これは東ドイツ用語だそうです。シュタージの中の一部門、HVA(偵察総局)所属のエージェントをこう呼んだみたい。「平和のための」というのはもちろん建前。よ~するに、東独の体制を維持するために投入されたスパイをそう呼んだそうです。

 東西統一後、四半世紀が経ち、かつての敏腕スパイたちも今はRentner(年金生活者)。ところが、彼らが急きょ連邦情報局BND(現在のドイツの諜報機関です)に招集されることになりました。彼らの手腕を買われてのことです。かつてソ連に属したカチェキスタン(架空)で、過激な武装ぐるーぷに連邦情報局のエージェントが拘束されたからです。招集された元スパイを演じる顔ぶれが豪華。…と言っても、みんな東ドイツの映画界で活躍したスタアなので今は70歳代。よって、映画館ではシルバ~な方々が歓声を上げていました。ところどころで炸裂する自虐的な東ドイツネタに、「うっひゃっひゃ~~~(爆)」とか、「がっはっは~(笑)」と、茶色い声を上げて大ウケするおばさまたち。「ん?ワタシは綾小路きみまろオンステージに紛れ込んだのか?」と一瞬頭が混乱しましたです。

 音楽はあくまでもカッチョよく、また映像もすごーくスタイリッシュ。元敏腕スパイだけあってお腹は出ていないし、黒いサングラスにカッチョいい服(含:ジャージ)で決めています。あくまでもキザでスマート。ひらりと柵を乗り越えていく…  ハズが、「ぐきっ!」と音がしてぎっくり腰っぽくなってしまうのはご愛敬。彼らは当時のテクニックを駆使し、拘束されたエージェントの救出に向かいます。東ドイツ時代のスパイテクニックですから、もちろん古い。使う言葉も旧東独用語そのもの…。観ていて「マジか…」となるのが楽しいのでした。がはは。

 なんと!その「捉えられた連邦情報局のエージェント」は「U・ボート」の艦長だったユルゲン・プロホノフです。ハリウッドに渡ったのに、いつのまにか戻ってきていたんだ…!頭は白くなりましたが決して肌色ではなく(爆)、まなざしも当時のまま。「艦長、よくぞご無事で…!」と思わずスクリーンに話しかけたくなりました。それ以外の仲間の顔ぶれも豪華。主役のヘンリー・ヒュプヘンは東独出身の名優です。唯一、東独作品としてオスカーの外国語映画賞にノミネートされた作品「嘘つきヤコブ」で準主役を演じた俳優です。ほかのスパイ役もみんなビッグ。日本での知名度は低いのですが、ドイツでは大御所ばかりです。さらに、スパイには欠かせない「女性を落として情報を得る役」だった元イケメンスパイ役に、「パウルとパウラの伝説」のヴィンフリート・グラツェダーが…!これは本当に内輪ネタで恐縮ですが、ぴらぴらのフリルがついた白いシャツを着ていたので私も大ウケ。70年代に東独だけでなく、ドイツやその他の国でも大ヒットを飛ばした作品「パウラとパウルの~」のパロディです。

 長くなってすみません。半信半疑ながらも彼らに仕事を依頼する女性(連邦情報局の局員)が、先日ちらっと書いた絶賛売り出し中の女優、アンテェ・トラウエです。切れ者でグラマ~という設定なので、わざとぴっちぴちのブラウスでバストを強調。おじいさんたちのまぶしそうな目がどこかおかしかった…^^;

 東ドイツの自虐ネタや、シルバー世代のスパイ珍道中に大ウケし、カッチョいいスパイ映画風のスペクタクルシーンを堪能し… というワケで、とっても楽しい映画でした。


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おまけ:このシネコンで上映していたアニメ「時をかける少女(2006)」。

ドイツ語タイトルは Das Mädchen, das durch die Zeit sprang。

直訳すると「時をかけ少女」になるような…

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Commented by ふぁらん at 2017-03-03 20:42 x
70歳を超えて颯爽とした姿で登場できるなんて!! 耄碌しかかっているわが身からすると、うらやましいかぎりです。

「時をかける少女」は時間を「跳び越える」ではなく「かける」ところが、語感のよさですよね。uberではなくdurch die Zeitにしたのは、その雰囲気をねらっているのかな。時の流れのなかをぴょんぴょん? ドイツ語の知識が乏しいので、とんでもない勘違いだったり(๑˃̵ᴗ˂̵)
Commented by Alichen6 at 2017-03-03 21:44
> ふぁらんさん
コメントをいつもありがとうございます。何をおっしゃいますやら、先日お目にかかったときは、とても若々しいお姿でしたよー。ところで、「時をかける~」、私も durch というのがいいな~と思いました。時の間を跳ぶように駆け抜けるというイメージでしょうか。ただ、なぜ過去形なのか… 英語のタイトルも現在形なのです。なんでドイツ語だけ過去形なのかなぁ…   ところで、ホーエンシェーンハウゼンの日記のコメント欄に、tanさんがふぁらんさんにお返事コメントを書いてくださっています♪
Commented by ふぁらん at 2017-03-04 14:39 x
お知らせくださってありがとうございます。tanさんにお礼を書いておきました。sprangのほうが響きがカッコよく聞こえるのかな。
Commented by Alichen6 at 2017-03-06 06:57
☆ふぁらんさん コメントをありがとうございますー。遅くなってすみません。なぜでしょうね。英語タイトルも現在形なのです。なぜかドイツ語だけ過去形… いつかドイツ人に聞いてみたいなぁと思います。
by Alichen6 | 2017-03-03 10:07 | ドイツ映画 | Comments(4)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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