ドイツ映画祭2016 「HORIZONTE」(その1)

 皆様、なんとな〜く肌寒い日曜日、いかがお過ごしでしょうか。このところ、更新が途絶え気味なのに遊びに来てくださって、ありがとうごぜえやす。ほんともー、ショボい日記なんかお見せしてしまってすみません。

 クララちゃんはすぐ我が家になじんだようで、連日くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる…と回し車をせっせと回しております。そろそろほにゃくにも本腰で力を入れてもらわないと。。。

 さてさて、先日チラっと書きましたようにドイツ映画祭もブジ終わりました。今回、ほにゃく以外のお仕事でも少しだけ映画祭にかかわり、緊張もしたけれどいい経験になりました。違う角度から映画に関わるというのも大事だなぁと改めて思った次第です。上映された作品は(公開が決まっている1作品を除き)皆様の目に触れる機会はおそらくないと思うのですが(ううぅ〜残念…!)、ラインナップからドイツ映画界の傾向が透けて見えてきますので、ちょこっとだけご紹介させてくださいっっ 今回上映されたのは7本。2回に分けて書いちゃいますね。(実はこの記事を書き始めて、すでに何日も経っております。いい加減、UPしなきゃ古くなっちゃう…)

1)Gr??e aus Fukushima(フクシマ・モナムール)2016、108分
監督:Doris D?rrie(ドリス・デリエ)
出演:Rosalie Thomass(ロザリー・トーマス)、 井かおり

あらすじ:(公式サイトから引用させていただきます)
『結婚式の直前、式場から逃げ出した若いドイツ人女性マリーは、傷心を抱えて福島への慰問の旅を決心する。被災地の人たちに少しでも明るい気持ちを届けたいと。その試みもうまくいかず落ち込んでいたマリーだが、福島最後の芸者だというサトミという女性と知り合い、帰還困難区域で暮らすことになる。性格が大きく異なる二人の女性の間に、不思議な友情関係が築かれていく。』


「フクシマ、モナムール」は2016年2月のベルリン国際映画祭で、ハイナー・カーロウ賞という賞を受賞した作品。親日家でいてくださるデリエ監督らしく、芸者やお茶の心得も出てきます。一瞬ですが、Butoh (舞踏)も…。日本人からすると ( ゚Д゚)!!!となってしまうシーンもあるにはあるのですが、作品の根底にあるのは普遍的なものなので、鑑賞後はいろいろ考えさせられます。原発事故は、決して過去のものではないのだと。フクシマの荒涼とした景色が胸を打ちます。イデオロギーや政治に関係するセリフは皆無。それでも、仮設所で暮らす人々の苦しみや怒り、痛みは伝わってきます。同時に明日への希望も描かれているのが救い。


2)Das Tagebuch der Anne Frank(アンネの日記)2016年、126分
監督:Hans Steinbichler(ハンス・シュタインビヒラー)
出演:Lea van Acken(レア・ファン・アッケン)、Ulrich Noethen(ウルリヒ・ネーテン)、Martina Gedeck(マルティナ・ゲデック)

あらすじ:(公式サイトから引用させていただきますね)
『ごく普通の少女であるアンネはナチス政権から逃がれて、家族とともに隠れ家で生活することになる。13歳の誕生日に日記をプレゼントしてもらったアンネは、日々の体験、希望、夢や恐怖を書き綴る。』


「アンネの日記」は、数年前に出版された「アンネの日記 完全版」を元にしたもの。「アンネの日記」は、唯一生き残った父オットーが、性の目覚めに関する記述や、母親に対する辛辣な批判を削除した上で出版したことは知られています。その後、思春期ならではの心の揺れや批判も含めての「日記」だという考えから、完全版が出版されるに至ったといいます。シュタインビヒラー監督は、そこを忠実に再現したかったとのこと。アンネはごく普通のティーンネイジャーであり、決して聖人ではなかった。むしろ、アンネを聖人として特別視するのではなく、ごく普通の少女としてとらえたうえであの時代を考えることに意義があるという考えから、徹底的に忠実に描いたそうです。したがって、映画の前半のアンネは、ちょっと(いや、かなり)生意気で憎たらしい。だけど後半に行くに従い、少しずつ表情が大人びてくるのです。主演の女優さんは、実は私のイチオシ。2年前に東京国際映画祭で「十字架の道行き(Kreuzweg)」という作品が上映されたのですが、その時の演技が圧巻…!私は度肝を抜かれましたでございます。彼女は今後も絶対に活躍すると思いますっ! なお、ど〜でもよいことですが、監督がイケメンで優しい方でした(いや、ど〜でもよくないか?重要な情報ですよね)。


3)24 Wochen (24週間、決断の時)2016年、102分
監督:Anne Zohra Berrached(アンネ・ツォーラ・ベラシェド)
出演:Julia Jentsch(ユリア・イェンチ), Bjarne M?del(ビヤーネ・メーデル)

あらすじ:(公式サイトから引用させていただきますね)
『コメディアンのアストリッドは、マネージャー兼パートナーのマルクスとの間で二人目の子どもを妊娠中。出生前診断によって赤ちゃんがダウン症と重大な心臓病を抱えることを知ったアストリッドは重い決断に迫られる。赤ちゃんを産むか、後期中絶をするのか?』

(あり注:「コメディアン」とされていますが、Kabarettistin (カバレットに出るアーティスト)なので、「コメディアン」という訳には抵抗があります…。辞書には「Kabarett の芸人」とありますが、これも違和感があるなぁ。日本にないものなので難しいですね…。「文芸寄席のアーティスト」などとしたいなぁと思うのですが、これでも分かりづらいですよね。難しい…いずれにしても、日本語の「芸人」や「コメディアン」と「Kabarettist」は違う気がします。)


「24時間、決断の時」は、2016年2月のベルリン映画祭のコンペティション部門に出されたことで話題になった作品です。そして人気女優ユリア・イェンチが出演しています。出生前の遺伝子診断で、遺伝子疾患であることが分かり、母親は自分のキャリアと愛しい我が子への愛情のはざまで揺れます。追い打ちをかけるように、エコーで心臓に重大な疾患も認められます。生まれてすぐに開胸して心臓を取り出し、大手術をしないといけないという事実。ドイツの場合、こういう場合は妊婦が望めば臨月まで中絶を行うことが認められています。胎児に塩化カリウムを注射して心停止させ、それから陣痛誘発剤によって死産のかたちで出産するとのこと。妊婦は、精神的にも肉体的にも非常に過酷な状況に置かれることになります…。主人公がギリギリの決断に迫られ、精神的にも追い詰められる様子がリアルに描かれています。もちろん、建前だけでなく本音の部分も。このリアルさがドイツ。ユリア・イェンチは「きれいなお姉さん」から脱したなぁ〜という気がしました。

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 …と、駆け足で3作品をご紹介しちゃいました。字が多くて読むのも面倒ですよね…。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。後日、後半の4作品をざざっと。ホントにありがとうごぜえやす。

 監督の方々はとてもフレンドリー。上映後、みなさんに丁寧にサインをしていらっさいました。ワタシもちゃっかり、サインの列に並んでおねだり♪
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Commented by バンケン at 2016-10-30 22:59 x
イイネ!

アンネだってまさか自分の日記が白日の元に晒されるなんて夢にも思わなかったでしょうから、ある意味、二重に迫害されたってことでしょうか?

書庫の奥深く秘蔵されている我が中学生時代の日記も「いかに女の子と仲好くなるか」みたいなことだらけですから。
うーん、これも自分の死後、ヨメさんや息子どもに生き恥晒す
(死んでるけど)くらいなら今のうちに処分しておいた方がいいのだろうか?㊙
Commented by Alichen6 at 2016-11-01 20:27
★バンケンさんっ コメントありがとうございました。お礼が遅くなってしまって、申し訳ありません…!なんだかもう、バタバタバタバタバタバタ…しちゃって。ところで中学時代の日記をまだ持っていらっしゃるんですね!スゴイ。自分ひとりの胸にしまっておくのは辛いでしょうから、どうぞ私に見せてください。いえ、絶対に口外しませんから。

かくいうワタクシ、昔を振り返るのが苦手で(黒歴史だらけなので・笑)取ってあるものも封印しちゃっているのですが、死ぬまでに何とかしないと…という気がしてきました。確かに生き恥を晒すのは(死んでるけど・笑 ←座布団1枚!)ヤだなぁ… 確かに、アンネはセキララな記述まで世界中に公開されて、複雑な気持ちでしょうね。。。

by Alichen6 | 2016-10-30 09:50 | ドイツ映画 | Comments(2)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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