【自分用のメモ】 東ドイツ映画 『嘘つきヤコブ』

 またまた東ドイツ映画のお話です。こちらも名作と呼ばれる作品で、日本では先日の「ソロシンガー(コチラ)」と同様、1983年に開催された「東西ドイツ名画傑作選」という催しで上映されたそうです。

『Jakob der Lügner』 (邦題:嘘つきヤコブ)1974年
原作:Jurek Becker (ユーレク・ベッカー)
監督:Frank Beyer (フランク・バイヤー)
出演:Vlastimil Brodský (ブラスティミール・ブロドスキー)
    Henry Hübchen(ヘンリー・ヒュプヘン)
    Armin Müller-Stahl(アルミン・ミュラー=シュタール)

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<簡単なあらすじ>
 第二次大戦中、ポーランドにあったユダヤ人ゲットーが舞台。ヤコブは偶然、ドイツ軍の苦戦を伝えるラジオ放送を耳にします。ソ連軍がすぐ近くまで来ているとの内容でした。ナチによるユダヤ人移送(行き先は絶滅収容所)が迫り、絶望的な空気が蔓延しているゲットーの仲間たちを勇気づけようと、ヤコブはその内容を皆に伝えます。その際、とっさにウソをついてしまいます。禁止されているラジオをこっそり家に隠しており、それで聞いたのだと。生きる希望を抱き始めた仲間たちは、ヤコブにニュースの続報を聞きたがります。そのたびにヤコブは苦しいウソを重ねるのでした。また彼は、両親を亡くした8歳の少女リナをひそかにかくまっていました。ヤコブは、リナにも同様に苦しいウソをつきます。ラジオを聴きたがるリナのために、声色を変えてラジオ放送の真似までするのでした。絶望の中に見えてきた一筋の光。希望を見出し、喜ぶ仲間たちを見て、ヤコブの苦悩はさらに深まるのでした…
 

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 本作は、「裸で狼の群れの中に(コチラ)」や「石の疵跡(コチラ)」を撮ったフランク・バイヤー監督の作品。1975年のベルリン映画祭(@西ドイツ)で銀熊賞を受賞。そして東ドイツでは唯一、米アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品としても知られています。また、1999年にはアメリカで「聖なる嘘つき、その名はジェイコブ」としてロビン・ウィリアムズ主演でリメイクされました。悲しく、切ないストーリーですが、不思議と陰惨なイメージがないのです。ほのぼのとした雰囲気さえ感じられます。主演の俳優(チェコ人)の熱演、そして脇を固める名優たちの演技がすばらしく、引き込まれてしまいます。アルミン・ミュラー=シュタールやヘンリー・ヒュプヘンなど、現在もドイツ映画界で活躍する俳優が多く出演しており(←この2人をご存じの方は、か~な~り~マニアックですが^^;)、少女リナも大変かわいらしい子役が演じています。

 このフランク・バイヤー監督は、先日ご紹介した「石の疵跡」で上映禁止処分を食らい、DEFAをクビになってしまいます。その後、ドレスデンの劇場やテレビ界を転々とし、再びDEFAに戻ることが許されて撮ったのが本作です。そしていきなり、銀熊とオスカーノミネート。DEFAや東ドイツ当局としては、バイヤー監督が非常に気難しく、一筋縄ではいかない人物である一方で才能豊かな監督であることも分かっており、扱いに苦慮したでしょうね。当局が望むような映画は決して撮らない人でしたから。

<2016年1月12日 追記>
この記事も、どうぞご参考までに… ⇒ コチラ
by Alichen6 | 2014-11-23 12:55 | ドイツ映画 | Comments(0)

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