トラビ博物館へ
2014年 08月 29日
少し前から行ってみたいなーと思っていた「トラビ博物館」へ行ってまいりました。サイトは → コチラ。場所はチェックポイントチャーリーのすぐ近くです。(このあと、念願のDönerを食べました^^;)
入館料は5ユーロ。どうせトラビが並べて展示されているだけだろう、とあまり期待はしていなかったのですが…
↓ まず、このやる気のなさそうな、場末っぽいショーウィンドーにシビれましたでございます。
窓越しなので、反射しちゃってすみません。左上のチョコレート、スゴいですねー。旧共産圏の「友好国チョコレート」!ハンガリー、チェコスロヴァキア、ブルガリア、ルーマニア、ポーランド。そして中央がとーぜん、ソ連とDDR。うーん、スゴイ味がしたに違いない。
↓ そして、ハリウッド風展示。
↓ 壁にめりこんだトラビ。そー、ベルリンの壁に描かれた絵やGo Trabi Go を再現したものでしょうね。
↓ ツボだったのが、フェラービ。そー、フェラーリ風トラビです。これ、本家の許可をもらっているんだろーか。
↓ パトカーもあるでよ。おまわりさんのマネキンがセクシーすぎてちょっと怖い。
でもね、一番面白かったのは、中で上映されていたドキュメンタリー映画でした。トラビ誕生秘話です。トラビを製造したザクセンリング社の元エンジニアたちの証言で構成されたドキュメンタリーなのですが、これがなかなか秀逸。私ったら感動しちゃいました。戦後まもなく、ソ連は賠償金代わりに東ドイツからすべてを持っていってしまいました。工場内にはロクな機械がなく、鉄板などの資材もまったく手に入らない状態。苦肉の策で、繊維をベースにした強化プラスチックをボディに使ったのは有名な話。よくPappwagen(段ボール車)と揶揄されているけれど、とりあえず段ボールではないようです。
トラビって、バカにされがちですが(実はワタシもたまに揶揄していました)、限られた条件の中で、エンジニアたちが必死に知恵を絞って開発していたんですね。しかも、その道のりは苦難続き。新たな技術を開発しても、お上の政治的判断で許可が下りないのです。開発当時は、西側の車に負けないくらい優秀だったようです。西側の会社がパクったこともあったらしい。それだけの技術力があったのに、ソ連より目立ってはいけないとの理由で開発に待ったがかかったこともあったとか。エンジニアからすると、努力の結晶である新技術が、そういった政治的理由で却下されるというのは本当に悔しかったでしょうね。
そんなことが分かって、思いのほか有意義なひとときでした。パッと見はショボいけどね。