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『日本で見られるオススメドイツ映画』 その3

(2017年1月17日更新)

「日本で見られるオススメドイツ映画」の「その3」です。前回の更新時から作品が2つしか加わっていなくてすみませんっ 付け加えた部分は赤で色付けしました。もっと時間を見つけてせっせと見なければ=3=3=3=3  


●サッカー

「ベルンの奇跡」(Das Wunder von Bern) 2003年ゼーンケ・ヴォルトマン(Sönke Wortmann)監督
時は1954年。ドイツは第二次大戦の敗戦からまだ完全には立ち直っていなかった。炭鉱の町エッセンに住む少年マティアスはサッカー好きの少年だった。そこに11年間ソ連に抑留されていた父が戻ってきて家族の雰囲気は一変。戦前の厳しい教育方法を持ち込もうとする父に子供たちは反発し、共産思想に心酔していた兄は家族に黙って東ベルリンへと行ってしまう。同年、スイスでワールドカップが開催された。ドイツは苦戦しつつも勝ち進み、決勝で無敵のハンガリーと対戦することになった。地元出身の選手ラーンを応援するため、父とマティアスは車でベルンへ向かう。かたくなだった父も、サッカーを通して少しずつ変わっていくのだった。そしてベルンで奇跡は起こった…。


「ワン・デイ・イン・ヨーロッパ」(One Day in Europe) 2005年
ハンネス・シュテーア(Hannes Stöhr)監督
サッカーのチャンピオンズリーグ決勝戦の当日、モスクワ、イスタンブール、サンティアゴ・デ・コンポステラ、ベルリンの4都市で繰り広げられるドラマをオムニバス形式でまとめたもの。キーワードは「盗難」と「サッカー」。言葉が通じないために意思の疎通がうまくできず、会話がかみ合わない登場人物。困惑する彼らをよそに、地元民はサッカーで盛り上がる。様々な言語、様々な人種、様々な文化が複雑にからみあうヨーロッパを、サッカーという共通語を通して描いた作品。


「ヴィーナス11 彼女がサッカーを嫌いな理由」(FC Venus – Elf Paare müsst ihr sein) 2006年
ウーテ・ヴィーラント(Ute Wieland)監督
三度の食事よりもサッカーが好きな夫に辟易している妻たち。夫にサッカーをやめさせるため、彼女たちは賭けに出る。サッカーの試合で妻たちが勝てば夫たちはサッカーをやめるという条件だ。それまでサッカーなどしたこともなかった妻たちがトレーニングを積み、試合に臨む。その結果は…。明るいタッチのコメディで、バカバカしいけれど楽しめる作品。

「コッホ先生と僕らの革命」(Der ganz große Traum) 2011年
セバスティアン・グロブラー(Sebastian Grobler)監督
 時は1874年。統一を果たしたばかりのドイツ帝国では、プロイセン流の厳しい軍隊教育が主流となりつつあった。学校も体罰と厳しい訓練で生徒たちを締め付けていた。そんな折、イギリス留学から戻ったばかりの英語教師がブランシュヴァイクのギムナジウムに着任した。イギリス風の自由な考えを身につけた先生は、生徒たちにサッカーを教える。試合を通じてフェアプレー精神やチームワークを学んでほしいとの願いからだった。しかしイギリスは、ドイツ帝国にとっては仮想敵国。そんな国の「球遊び」など、もってのほかと他の教師や保護者は猛烈に反発する。しかしサッカーは着実に生徒たちに定着していった…
 ドイツにサッカーをもたらしたコンラート・コッホがモデル。ダニエル・ブリュールの演技が光る。


●登山の映画

「死の銀嶺」 (Die weisse Hölle vom Piz Palü)1929年
アーノルト・ファンク(Arnold Fanck)、G・W・パープスト(G.W.Pabst)監督
スイス・アルプスの「ピッツ・パリュ」で遭難した男性および新婚カップルの物語。世界で初めて飛行機による冬山の空中撮影を行ったことで知られる。CGのない時代にここまで迫力のある映像が撮れたことに改めて感動する作品。後に「意思の勝利」「オリンピア」で一躍有名になった女性監督レニ・リーフェンシュタールがヒロインを務めている。監督の1人、アーノルト・ファンクは「山岳映画(Bergfilm)」の巨匠として不動の地位を築いた。この山岳映画は「郷土映画(Heimatfilm)」とともに、ドイツ固有のジャンルとして知られる。ナチによって国威発揚に利用されたため戦後もそのイメージがつきまとい、やがて人気も下火となった。

「アイガー北壁」 (Der Nordwand) 2008年
フィリップ・シュテルツル(Philipp Stölzl)監督
世界にドイツ人の優秀さを誇示するため、ヒトラーはアイガー北壁の初登頂を果たした者にベルリン五輪で金メダルを授与すると発表。それに刺激され、優秀な登山家4人がアイガー初登頂を目指す。ところが悪天候に阻まれ、悲劇が起こった…。第二次大戦前のドイツで人気のあった「山岳映画(Bergfilm)」はナチのイメージがつきまとい、戦後は長く作られていなかったが、シュテルツル監督が敢えてそのジャンルに再挑戦。

ヒマラヤ、運命の山 (Nanga Parbat) 2010年
ヨゼフ・フィルスマイヤー(Joseph Vilsmaier) 監督
ヒマラヤにある世界有数の高峰、ナンガ・パルバート。1970年、ドイツの登山隊が頂上を目指して遠征に出る。ラインホルト・メスナーとギュンター・メスナー兄弟もその一員だった。彼らは登頂に成功するものの、下山中にはぐれ、弟は死亡。兄は奇跡的に助かる。その後、兄は批判にさらされ、やがて裁判沙汰になる。そして25年後の2005年に弟の遺体が発見された。世界的なクライマー、ラインホルト・メスナーの証言をもとに再現された作品。史実をもとにしているだけに、説得力がある。


●音楽好きな方、そして古典的作品がお好きな方向け

「未完成交響楽」(Leise flehen meine Lieder) 1933年
ヴィリー・フォルスト(Willi Forst)監督
貧しい作曲家シューベルトと、ワガママな伯爵令嬢との純愛物語。身分の差から結婚はかなわず、令嬢は別の軍人と結婚することに。結婚式でピアノを演奏したシューベルトは、未完成の楽譜に「わが恋の成らざるが如く、この曲もまた未完成なり」と書き込んだ。フィクションながら、シューベルトの名曲がちりばめられ、楽しめる。トーキー初期の作品なので、白黒。

「シシー」三部作
・「エリザベート ロミー・シュナイダーのプリンセス・シシー」(Sissi)1955年
・「エリザベート2 若き皇后」(Sissi – Die junge Kaiserin)1956年
・「エリザベート3 運命の歳月」(Sissi – Schicksalsjahre einer Kaiserin)1957年

エルンスト・マリシュカ(Ernst Marischka)監督
若きロミー・シュナイダーとカール=ハインツ・ベームのコンビで大人気を博した3部作。バイエルンの王家からオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世御のところに嫁いだエリザベート。シシーという愛称で呼ばれた彼女は自由を愛し、窮屈な宮廷生活を好まなかった。そんなシシーの半生を描いた作品。

「野ばら」(Der schönste Tag meines Lebens) 1957年
マックス・ノイフェルト(Max Neufeld)監督
ハンガリー動乱の頃、母の故郷であるオーストリアに逃れてきた孤児のトーニは、親切なおじいさんに引き取られる。その天使のような歌声に驚いたおじいさんは、トーニをウィーン少年合唱団へ連れていく。ウィーンやチロルの美しい風景を背景に、ウィーン少年合唱団が歌う名曲が随所にちりばめられ、目と耳で楽しめる作品。

「哀愁のトロイメライ “クララ・シューマン物語“」(Frühlingssinfonie) 1981年
ペーター・シャモニ(Peter Schamoni)監督
名ピアニストのクララ・シューマンと、作曲家ロベルト・シューマンの出会いから結婚までを描いた作品。クララをナスターシャ・キンスキーが、ロベルトを「U・ボート」のヘルベルト・グレーネマイヤーが演じている。父親から英才教育を受けて育ったクララの半生が興味深い。

「4分間のピアニスト」(Vier Minuten) 2006年
クリス・クラウス(Chris Kraus)監督
殺人罪で服役中の若い受刑囚ジェニーにはピアノの才能があった。それを見抜いたピアノ教師が正統派の演奏法を教え込もうとする。頑なだった少女は少しずつ心を開いていき、コンクールでの4分間の演奏に向けて練習に励む。しかしその少女だけでなく、老いた女性教師も複雑な過去を持ち、心に傷を抱えていた…。モーリッツ・ブライプトロイの母親モニカ・ブライプトロイの熱演が圧巻。

「僕のピアノコンチェルト」(Vitus) 2006年
フレディ・M・ムーラー(Fredi M.Murer)監督
優れた頭脳を持つ天才少年と、少年の唯一の理解者であるおじいちゃんの物語。名優ブルーノ・ガンツの演技と、本物の神童が奏でるピアノの音色、そしてスイス特有の牧歌的な風景が見事。ほのぼのとした作品。スイス映画なので、スイスドイツ語。

「クララ・シューマン 愛の協奏曲」(Geliebte Clara) 2008年
ヘルマ・サンダース=ブラームス(Helma Sanders-Brahms)監督
夫ロベルトが精神に異常をきたし、精神病院で亡くなるまでの、クララの苦悩を描いた作品。ロベルトを敬愛するとともに、クララを慕っていたブラームスの存在もカギ。シューマン夫妻は2人とも人一倍才能に恵まれていたが、天才であるがゆえの苦悩もまた人一倍であったことが伝わってくる。

「クラバート 闇の魔法学校」(Krabat)2008年
マルコ・クロイツパイントナー(Marco Kreuzpaintner)監督
17世紀、30年戦争直後のドイツ東部。両親をペストで亡くした少年クラバートは、村はずれにある水車小屋の親方に弟子入りすることになる。ところがその水車小屋は、実は黒魔術を教える学校だった…。今もスラブ系のソルブ人が住むラウジッツ地方に伝わる伝説を元に、オトフリート・プロイスラーが書いた小説が原作。貧しい中で団結して黒魔術を操る親方に立ち向かう少年たちを描く。

「ピアノマニア」(Pianomania Die Suche nach dem perfekten Klang)2009年
ロベルト・ツィビス、リリアン・フランク(Robert Cibis, Lilian Franck)監督
スタインウェイ・オーストリアで主任調律師を務めるシュテファン・クニュップファーの奮闘ぶりを追ったドキュメンタリー。決して妥協することなく究極の音を追い求めるシュテファンは、一流ピアニストから絶大なる信頼を得ている。ピエール=ロラン・エマール、ラン・ラン、アルフレート・ブレンデルらが奏でるピアノの音色が心地よく響く作品。

「白いリボン」(Das weisse Band) 2009年 NEU!
ミヒャエル・ハネケ (MichaelHaneke)監督第一次大戦が勃発する直前の1913年。ドイツの小さな農村で、次々と陰湿な事件が起こる。犯人が分からぬまま、村民の間で不信感が募っていく。大人の醜さ、理不尽な仕打ち、抑圧された時代背景、牧歌的な村に漂う閉塞感…。美しいモノクロの情景をバックにドロドロした人間模様が描かれ、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した。

「ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~」(Goethe!) 2010年
フィリップ・シュテルツル(Philipp Stölzl)監督
若きゲーテがシャルロッテ・ブッフと激しい恋に落ち、やがて失恋して「若きウェルテルの悩み」を執筆するまでの日々を描いた作品。18世紀という時代を忠実に再現したそうで、道はぬかるみ、ドロドロ。男性がかぶるカツラも、お世辞にも清潔とは言い難い状態。監督の話では、これが当時のスタンダードだったとのこと。

「ファウスト」 (Faust、ロシア映画) 2011年
アレクサンドル・ソクーロフ監督
ヴォルフガング・フォン・ゲーテ原作「ファウスト」をロシアの巨匠ソクーロフが自由に翻案した作品。監督の権力者4部作のうちの最後の1本(1本目は、「日本で見られるオススメドイツ映画その1」でご紹介した「モレク神」)。生きる意味を探し求めるファウストが高利貸しマウリツィウスに出会うことで人生を狂わせてしまう。彼の心をとらえて離さなかったのは、美しい少女マルガレーテだった…。淡い色調の映像が絵画のように美しく、不思議で幻想的な作品。

「エリザベート ~愛と哀しみの皇妃」 (Sisi)2012年
クサーヴァー・シュヴァルツェンベルガー(Xaver Schwarzenberger)監督
 姉のお見合いについて行ったシシィことエリザベートは、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフに見初められる。ハプスブルク家の皇妃となったエリザベートは厳格な宮廷のしきたりになじめず、窮屈に感じていく。厳しいゾフィ大公妃ともそりが合わず、次第に孤独感を強めていくのだった。子供を自らの手で育てることもかなわず、シシィは安らぎをハンガリーに求めていく…
 本国では前篇・後編の2話構成でテレビ放映された作品。エリザベートの苦悩を中心にその半生を描いている。

「ルートヴィヒ」 (Ludwig II) 2013年
ペーター・ゼアー (Peter Sehr)監督、マリー・ノエル (Marie Noëlle)監督
(DVDは2014年9月発売)
19世紀末、ドイツ統一直前のバイエルン王国。父の死に伴い、国王として跡を継ぐことになったルートヴィヒだが、政治にはまったく無関心。ワーグナーの音楽とゲルマン神話に心酔し、美しい城の建設に心血を注ぐのであった。その間にもバイエルン王国を取り巻く環境は激変する。幾度かの戦争を経てドイツ帝国が成立。しかし精神を病んだルートヴィヒは、王国の先行きを危ぶんだ部下たちによって廃位に追い込まれる。その後小さな城に幽閉され、湖で溺死した。美しいバイエルンの風景をバックに、ルートヴィヒ二世の波乱に満ちた一生が描かれている。


●ドイツが舞台の外国映画・合作映画

「ワルキューレ」(Valkyrie)2008年、アメリカ
ブライアン・シンガー(Bryan Singer)監督
1944年7月20日、シュタウフェンベルク少佐らによるヒトラー暗殺未遂事件を描いた作品。主演をトム・クルーズが演じた。ドイツでロケを行い、できる限り史実に沿うように制作されている。アメリカ人の俳優がドイツの軍服を着ている姿はなんとなく不思議。

「愛を読む人」(The Reader, Der Vorleser) 2008年、アメリカ・ドイツ合作
スティーブン・ダルドリー(Stephen Daldry)監督
ベルンハルト・シュリンク原作「朗読者」をケイト・ウィンスレット主演で映画化。第二次大戦後のドイツが舞台。15歳の少年のミヒャエルが年上の女性ハンナと知り合い、やがて彼女に頼まれて本を朗読するようになる。しかしやがて彼女は彼の前から姿を消す。ミヒャエルが次にハンナの姿を見たのは法廷だった…。セリフは英語だが、ドイツ人俳優が大勢出演している。

「イングロリアス・バスターズ」(Inglourious Basterds) 2009年、アメリカ・ドイツ合作
クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督
1944年、ナチ占領下のフランスが舞台。ナチに家族を惨殺され、たった1人生き残った女性ショシャナ。映画館主となった彼女は、ナチのプロパガンダ映画がプレミアを迎えるその日、映画館をナチの高官もろとも焼き払おうと計画する。一方、ナチ高官の暗殺を企てる集団も同じプレミアに目をつけていた・・・。タランティーノ監督が手掛ける戦争映画。ティル・シュヴァイガーやダニエル・ブリュールなど、ドイツの人気俳優が主演のブラッド・ピットと共演している。残虐なシーンも多いため、血が苦手な方はご注意を。

「ブリッジ・オブ・スパイ」(Bridge of Spies)2015年、アメリカ・ドイツ合作 NEU!
スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督
時は1957年、冷戦が深刻化していた時代。弁護士のドノヴァンは、ソ連のスパイという容疑で逮捕された男の弁護人を務める。その5年後、今度はアメリカ人パイロットがソ連の領空侵犯でソ連当局に逮捕された。この2人を交換することになり、その交渉役としてドノヴァンに白羽の矢が立つ。交渉の場は壁が建設されたばかりの東ベルリン。国境にかかるグリーニッケ橋で2人を交換することになった…。ベルリン近郊にあるスタジオ・バーベルスベルクが全面的に協力し、スピルバーグ監督が現地でのロケを交えつつ撮影を行った歴史サスペンス。ドイツ公開時のタイトルはBridge of Spies - Der Unterhändler(=交渉人)。





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by Alichen6 | 2017-01-18 00:16 | ドイツ映画 | Comments(0)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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