つぶやき

ドキュメンタリー映画 『世界が食べられなくなる日』

 ここ1週間、またまたハードな日が続きました。だけどキツい1週間の締めくくりにお楽しみがあったので、ワタシは頑張っちゃったワケでございます。何がお楽しみって、同業のお友達と映画を観に行き、そのあとは美味しいランチをパクつきながら、延々とおしゃべりに興ずる…という、女子にとってはたまらない企画。うっしっし。そしてこの映画がヒジョ~に面白かった(「楽しい」という意味ではなく、「ためになる」という意味で)のです。選挙前に見ておいてよかった!ここでご紹介させてくださいね。

『世界が食べられなくなる日』
ジャン=ポール・ジョー監督、フランス映画 2012年
公式サイト → コチラ
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(公式サイトより引用)
『20世紀に生まれた二つのテクノロジー、“遺伝子組み換え”と“原子力”
本作で、遺伝子組み換え作物の影響と同時に描かれるのが“原発がある風景”。世界第2位の原発保有数58基が稼働中で常にリスクと隣り合わせのフランスと、福島第一原発事故以降の日本。その地に住む農家がどのような影響を受けたのか。『未来の食卓』 『セヴァンの地球のなおし方』で“食の重要性”を訴え続けるフランス人監督ジャン=ポール・ジョーがカメラを向ける。

“遺伝子組み換え”と“原子力”、いのちの根幹を脅かす二つのテクノロジーの三つの共通点、それは後戻りができないこと、すでに世界中に拡散していること、そして体内に蓄積されやすいこと。セラリーニ教授は映画の冒頭で警告する「20世紀に世界を激変させたテクノロジーが二つあります。核エネルギーと遺伝子組み換え技術です。これらは密接に関係しています。米国エネルギー省は原爆につぎ込んだ金と技術者を使って、ヒトゲノムの解析を始めました。そこから遺伝子組み換え技術が誕生しました』

 遺伝子組み換え食物(GM)の恐ろしさは、本作の配給元アップリンクによる他のドキュメ『モンサントの不自然な食べ物』など、いくつかのドキュメンタリーで触れられていましたので、予備知識はありました。そして遺伝子組み換え食物を通じて、世界の「食」を牛耳ろうとしている巨大企業「モンサント」の恐ろしい野望についても。現在、遺伝子組み換え食物は安全だとされているそうです。しかしそれは、たった3か月間ラットに食べさせた結果「異状なし」だったという実験結果に基づいたものだとか。確かに、短期間では目に見える健康被害は現れないのでしょう。しかし私たちは生きている限り、食物を口にします。長期にわたってデータを取らなきゃ何の意味も持ちません。そこで2009年、フランスの科学者が遺伝子組み換えトウモロコシや除草剤(ラウンドアップ)を割合を変えつつエサに混ぜ、2年間(ラットの寿命に相当)にわたって食べさせてデータを取ったとのことです。その結果は愕然とするものでした… 

 監督は今回、「原発」と「遺伝子組み換え食物」の2つに焦点を当て、食の危険性を訴えるドキュメンタリーを作っていました。一見、あまり関係のなさそうなテーマで見ている人は混乱してしまうかもしれません。だけどそこには大きな共通点があります。大企業の利益が優先され、1人1人の安全が犠牲にされている点。そして国民の安全を守るべき国が、その企業を保護する側に回ってしまっているという点。ナルホド~と思いながら見ておりました。

 知らなかったのは、大量の大豆が荷揚げされる港で働く労働者たちの中に、健康被害が顕著に見られるという事実。大豆は栽培中だけでなく、収穫後も農薬で燻蒸するというのは、生協で配られる冊子などで読んでおりました。だけどその農薬を吸い続けた結果、ガンで苦しむ港湾労働者が多くいるという事実は知らず、胸が痛みました。

 この大豆はホントにいろいろな問題をはらむ食物。今回のドキュメでは触れられていませんでしたが、アマゾンの熱帯雨林が次々と開墾され、大豆畑になって世界中へ輸出されている問題は別の作品で見ました。もちろん、大豆はモンサント社による遺伝子組み換え大豆で、使われる除草剤は同社製のラウンドアップ。この遺伝子組み換え大豆は、ラウンドアップ耐性を持つため、強力な除草剤をまいても枯れないのです。枯れるのは雑草のみ。ほかの植物が死に絶える中、ラウンドアップ耐性を持つ大豆だけが青々と茂ってる… そしてその大豆は直接的・間接的に我々の口に入る…。


 …などとついつい長々と書いてしまいましたが、とにかく考えさせられる映画でした。監督の切り口には、個人的に「?」と思うところもありましたが、そういったことも含めて考える機会をくれるというのが、ドキュメンタリー映画の利点だと思います。字幕翻訳は横井和子さん。もう何年も仲よしでいてくれるフランス語/英語映像翻訳者さんです。定期的に会っておしゃべりしたり、励まし合ったりしてきた仲なので、エンドロールのお名前を見てじーんとしました。とても自然、かつ音のリズムと流れに合った字幕で、いつしか読んでいることを忘れ、映画の世界に入り込みました。遺伝子組み換えなどの事実にカッカしたり、福島の現実に胸が締め付けられたり。さすがの字幕です。

 まだまだ映画は上映中。ぜひ、ご覧になってくださいませ~~~

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Commented by まろん at 2013-07-20 23:04 x
ありちゅんさん、昨日は本当にありがとうございました☆
そして早速、こんなに素晴らしい記事をアップしちゃうなんて、さすがです!ありがとうございます!
色々と考えさせられる、おもしろい映画でしたね。私もこれまで、原発とGM作物にこんな共通点があるなんて気づきませんでした。欧米との意識の差を感じました。
横井さんの字幕も本当に素晴らしかったですね。
皆さまのパワーに感謝感謝です。
Commented by Alichen6 at 2013-07-21 00:24
★まろんさん、昨日はホントにありがとうございました☆ ホント、楽しかったですね!友人が手掛けた映画を観る→みんなで感想を言い合う→お店に移動→美味しいゴハンをバクバク→女子会のノリでしゃべりまくる→ぴちぴち注入/デトックス完了…と、カンペキな1日でした^^;えへへ。とにかくいろいろ考えさせてくれる作品でしたよね。あの港湾作業員の言葉が今も心に残っています。子供が豆乳好きで、フルーツ味や紅茶味のものを毎日のように飲んでいるのですが、ちょっと考えてしまいます…。
Commented by 横井和子 at 2013-07-21 10:08 x
ありちゅんさん、まろんさん、金曜日は本当にありがとうございました!お忙しいお時間をぬって映画をご覧頂き、さらにこんな素晴らしい紹介記事まで書いて頂いて、もう~、感激の一語です!! 今回の作品は環境問題の専門家の方が監修してくださっていて、その方から教わることも多く、とても勉強になりました。福島の方々の言葉も重かったですよね…。
私も毎朝、豆乳を飲んでいます!日本の食品は現状、豆乳もポテチも「遺伝子組み換えでない」の表示がありますが、TPPの絡みでどうなるか?とか、輸入食品は?とか、「食品」には表示があるけれど、飼料は…?とか、考えるとオソロシイですよね。映像翻訳って、本当に、いろいろなことを勉強させてくれるお仕事です☆ (終わると片っ端から忘れてしまうのがイタイですが、私は…)
長くなってしまって申し訳ありません、今後とも、どうぞ よろしくお願いいたします!!!!!!!!!!
Commented by ありちゅん at 2013-07-22 10:06 x
☆横井さん!! おはようございます。コメントありがとうございます。事前に伺わず、お名前を出してしまいましたが、ご迷惑ではなかったでしょうか?すみません。そして今回は(も)横井さんのお陰で、いろいろ考えるきっかけをいただきました。ありがとうございます!「食」は私たちの命にかかわる問題なのに、問題意識を持たずにのほほんと暮らしがちですよね…。前々回の「セヴァン」前回の「モンサントの~」、そして今回の作品(全部横井さんの翻訳だ!)と3本続けて見たことで、それまで知らなかったこと、見ようとしなかったこと、あえて避けていたことなどが浮き彫りになりました。貴重な機会をありがとうございました!!!

>終わると片っ端から忘れてしまう
それはワタシの専売特許でございます。ザル頭と呼んでください^^;しかも、そのザルの目の粗いこと・・・ ほとんどスル~~orz..
by Alichen6 | 2013-07-20 21:37 | つぶやき | Comments(4)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


by Alichen6
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