バーベルスベルク撮影所 ~ ポツダムの映画博物館 その1

 ベルリンに着いた翌日、さっそく映画関係の博物館へ足を運びました。ベルリン近郊、ポツダムにも近いバーベルスベルクという場所に映画の撮影所が出来たのが1912年。今からちょうど100年前、ハリウッドと同時期です。第一次大戦前、帝政時代でした。早っ  映画博物館を見にバーベルスベルクへGo!と鼻息も荒く見に出かけたところ…

 バスを降りて入口に向かうのはお子ちゃま連ればかり。「むむ?何だ、この場違い感は?」と思って聞いてみたら、映画博物館は撮影所ではなく、ポツダムにあるとの話。お子ちゃま連れの方々は、撮影所の敷地に作られた Filmpark という、USJみたいな観光施設を目指していたのでした。幸い、ポツダムはバーベルスベルクの少し先。そこで再びバスに乗ってポツダムへ向かったのでした。それが、コレだ~ ↓

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Filmmuseum Potsdam → コチラ

ちなみに、Babelsberg の撮影所のサイトは → コチラ
撮影所の歴史については → コチラ
Filmpark は → コチラ

★ちょびっとだけ、撮影所の歴史をば。

 映画産業が盛んとなるにつれ、撮影のために広大な敷地を要する撮影所が必要となりました。そこでBioskop 社は1911年から1912年にかけて、ベルリン郊外のバーベルスベルクに Glashaus(採光のため、天井がガラスとなったスタジオをこう呼んだそうです。十分な光は撮影に欠かせない要素だったとか)を建設。そしてスタジオの外には撮影用のセットを作ったそうです。何度も使えるようにとの考えから、撮影が終わったあとも取り壊さず、そのまま残しておいたとか。1912年にはアスタ・ニールセン主演の「Der Totentanz(直訳しますと、死者の踊り)」という映画が撮影されております。

 セットとして建てられた建物は様々な場面で使えるよう、1面はロマネスク様式、1面はゴシック様式、1面はルネッサンス様式といった具合に、様々な様式が混在する、へんてこな建物だったそ~です。想像すると楽しい^^;

e0141754_22205985.jpg やがて Bioskop 社はフランス系の Decla社(カリガリ博士を撮った会社)と合併し、その後 かのUfa (ウーファ映画社)へと吸収されます。バーベルスベルクの撮影所は「メトロポリス」や「嘆きの天使」など、数々の名作を生み出すスタジオとして歴史を刻んでいきました。

 そしてナチの台頭。Ufa は国有化され、バーベルスベルクはナチのためのプロパガンダを撮影するスタジオへと変貌。「ユダヤ人ジュース」など、現代のドイツでは条件つきでしか上映を許されない反ユダヤの映画もここで撮影されました。

 やがて終戦。バーベルスベルクのスタジオも、ベルリンに入った赤軍兵士による略奪の憂き目に遭います。機材から衣装に至るまですべて持ち去られ、フィルムがあちこちにぶちまけられている状態だったとか。そしてバーベルスベルクはソ連の占領下となります。その後の1946年5月17日、バーベルスベルクにDEFA(Deutsche Filme AG、ドイツ映画株式会社)が設立されました。このDEFA はその後、東ドイツの国営映画会社としてプロパガンダ映画や教育映画など、数々の作品を生み出していきます。

 そして東西統一。厳しい時代を乗り越え、民営化されたバーベルスベルクの撮影所は「戦場のピアニスト」や「イングロリアス・バスターズ」を含む、国内外の映画を撮影するスタジオとしてよみがえり、現在に至るとのことです。

<バーベルスベルクの撮影所で撮影された主な作品>
「ドクトル・マブゼ」 (1922)
「ニーベルンゲン」 (1924)、
「メトロポリス」 (1927)
「嘆きの天使」 (1930)
「ユダヤ人ジュース」(1940年)
「Die Legende von Paul und Paula(パウルとパウラの伝説)」 (1973)
「Jakob, der Lügner(嘘つきヤコブ)」 (1974)
「Sonnenallee(ゾンネンアレー)」 (1999)
「戦場のピアニスト」 (2002)
「ヒトラーの贋札」 (2007)
「ワルキューレ」 (2007)
「愛を読む人」(2008)
「イングロリアス・バスターズ」(2008年)

 …ざざっと簡単に書こうと思ったのに、激動の歴史を経てきただけに、短くまとめるのは無理でした。ふぅ。映画ってホントに時代とともに歩んできたんだなぁと、改めて実感いたしました。長くなってしまったので、映画博物館の展示物については、「その2」で…

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Commented by Adler at 2012-08-31 14:57 x
ポツダムの映画博物館、懐かしいですね~。院生時代に二年ほどポツダムに住んでいたことがありまして、こちらの博物館内に開設されている映画館には月5回ほど通ったりしてました。ドイツ映画だけではなく、イラン映画やらアフリカ映画、フィンランド映画など世界各国の面白い映画を一週間ごとに何やら特集と組んで上映しているのです。「食の映画」とやらの特集では日本の「たんぽぽ」なども上映していました。友人と一緒に見に行ったのですが、ラーメン道って本当にあるのか?と質問されて困った思い出がありますw 目玉は月に一回ある無声映画の日。この日は無声映画に、世界中でもほとんど残っていない「映画オルガン」の伴奏があります。普通のパイプオルガンに特殊なボタンなどを加え、ドアを閉める音や鐘の音、その他の生活音を再現できるように工夫されたものです。夏には近くの劇場を借りて、無声映画のオーケストラ伴奏なども実施されていました。ムルナウの「ノスフェラトゥ」をオーケストラ伴奏で見ましたが、感無量でした。
Commented by ありちゅん at 2012-08-31 21:23 x
★Adlerさん、コメントありがとうございます。ポツダムに住んでいらっしゃったこともあったんですね!この博物館内の映画館のラインナップも素敵でした。世界各国の映画が上映されているんですね!「たんぽぽ」がドイツのどこかで上映された際、興味を集めたといった話をどこかで聞いた記憶があります。伊丹監督の作品は日本的な部分と普遍的な部分があってドイツ人にも受けるのかなぁなんて。ところで「映画オルガン」って存じませんでした…!伴奏つきの無声映画は何度か観賞したことがあるのですが、映画オルガンやオーケストラは未経験。是非、観賞してみたい!!「ノスフェラトゥ」はいいですよね。迫力ある音楽と一緒に見るとゾクゾクしそう。古い映画って大好きです。貴重な情報、ありがとうございました。「映画オルガン」そのうち調べてみます!
Commented by ありちゅん at 2012-08-31 21:38 x
★Adlerさん、何度も失礼いたします。Kinoorgel ですね!YouTube にありましたので、URL欄に貼ってしまいました。そしてこの音色、聞き覚えがあります。生で聴いたことはないけれど、サイレント映画のDVDでよく耳にします。「Der Studend von Prag」が、このオルガンによる音楽でした。生で聴くと素敵でしょうね。
by Alichen6 | 2012-08-26 23:00 | ドイツ珍道中 | Comments(3)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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