Die Fälscher (ヒトラーの贋札)

 こんな時期に映画の話を書くのは恐縮なのですが、今日(19日)午後2時から、NHK BS2でアカデミー外国語映画賞受賞作「ヒトラーの贋札」がOAされます。この時期、映画どころじゃない方も大勢いらっしゃると思うのでご紹介するのも気が引けるのですが・・・。もしご興味がありましたら、録画して後日落ち着いた時にでもご覧になってみてくださいね。強制収容所が舞台ですので、決して明るい映画ではないのですが・・・



 この映画が公開された当時に書いた日記があります。横着して、そこからコピペしちゃいます。ずびばぜんっ

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『ヒトラーの贋札』(原題:Die Fälscher)
シュテファン・ルツォヴィツキー監督、カール・マルコヴィッチ、アウグスト・ディール出演

<簡単なあらすじ>
 ユダヤ人のサリーは天才的な腕を持つ印刷工。その技術を生かして偽札や偽造パスを作り、その名を世界に知らしめていました。しかしそんなサリーもお縄となり、強制収容所送りとなります。そしてほかのユダヤ人収容者と同様、過酷な労働を強いられ、仲間が次々と死んでいく中で屈辱と恐怖の日々を送っていました。ところがある日突然、ザクセンハウゼン収容所に移送されます。偽札を流通させることで敵国の経済に打撃を与えようとする「ベルンハルト作戦」のためでした。

 同じ印刷工の収容者ブルガーはサボタージュや団結をサリーたちに呼びかけ、ナチスに抵抗しようと試みますが、サリーはおとなしく偽札を作ることで少しでも生き延びる道を選びます。彼らが収容所内の作業所で作ったポンド紙幣は見事イギリスの銀行の検査をすり抜け、その精巧さを証明することになります。次に作るのはドル紙幣。ところがブルガーのサボタージュにより、なかなか完成に至らないまま時が過ぎていきました。

 完成を急ぐナチス側はサリーたち印刷工に圧力をかけるようになります。サボタージュを続けるブルガーに賛同できないサリーでしたが、正義を全うしようとする彼の主張に多少なりとも共感を覚えるのでした。結核を患う若いユダヤ人収容者コーリャを気遣い、ほかの収容者とも仲間意識が芽生え、サリーは自分だけ生き残ればよいとは思えなくなります。しかし運命は過酷でした…

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 監督は「アナトミー」「アナトミー2」などで知られるシュテファン・ルツォヴィツキー。この監督はドイツ人ではなく、オーストリア人だったんですね。私ったら今回初めて知りました。てっきりドイツ人かと。主人公サリーを演じたのはオーストリアの人気俳優カール・マルコヴィッチ。実はこの俳優さんの出世作をごく最近見ることがありました。だもんでこの映画を観るのを楽しみにしていたのです。出世作となったドラマでの役柄は「お人好しで少々ヌケたところのある刑事」。このイメージが強かっただけに偽札造りの悪党には見えませんでした・・・。ブルガーを演じたのはドイツの人気若手俳優アウグスト・ディール。ちょっと神経質かつ繊細で、気難しい若者を演じさせればピカ一ではないかと思います。親衛隊将校を演じたのは、「イェラ」「厨房で逢いましょう」でも出演したデーヴィト・シュトリーゾフ。この人も最近、ちょくちょく見かけるような気がします。

  なお、ブルガーは実在の人物をモデルにしています。お年は90を超えるそうですが、ご健在とのこと。妻がアウシュヴィッツで死んだのは自分のせいだとの自責の念にかられ、過去の呪縛から立ち直るのに40年を要したとのこと。高齢ながら昨年来日を果たし、語り部としての責務を果たすべく、日本でも自らの経験を語ったそうです。この方については過去ログ → コチラを。

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Commented by hirorin330 at 2011-03-20 11:23
19日は、エキサイトにアクセスできず、見逃しました。
残念!
Commented by じゅっこ at 2011-03-20 14:39 x
家人と一緒に見入ってしまいました。内容とは別のところで、当時の印刷術について見る事ができて、私としてはその部分でもとても勉強になりましたし、単なる演出に思えないすばらしい再現(さすが、印刷術誕生の地、ドイツ!)という印象をもちました。そして、大佐がサリーに言った一言がなんか妙にココロに残りました。あまりかくとネタバレになっちゃいますね。。。まずかったら非公開にしてください!
そして、原作にブルガーさんの名前が出ていたのを家人が見つけ、さらに物語の真実性が心にぐさりとささってきました。なんだか言葉が変でずびばぜん!こういうかたちで歴史を語ってくれる…本当に、映画って素晴らしいですね!!
Commented by raquel_2006 at 2011-03-20 17:25
こんにちは。日本のことが気になるけれどドイツのニュースは見ていると本当に辛くなるので、NHKとBBCしか見なくなりました。

この映画、まだ見ていませんが、興味しんしんです。でも、字幕無しで見たらわからないかなー。ドイツ語の理解の範囲が限られているので、字幕がなくても楽しめる映画と、字幕がないとどうがんばっても全く理解できない映画があるんですよ。ありちゅんさんの解説がいつも助かっています。
Commented by ありちゅん at 2011-03-21 10:51 x
☆hirorin330さん おはようございます~ コメントありがとうございます!そうですよね、この日記を書いた直後にエキサイトがアクセスできなくなって、1日中ダメな状態でした。たぶん、また再放送でOAされると思いますので、またブログに書きますね!重いテーマですが、よく描かれていると思います。
Commented by ありちゅん at 2011-03-21 10:54 x
☆モミモミ隊員じゅっこ様 コメントありがとうございます~~ お忙しい中、すみません! 実はあの印刷術、私は素人なので随分戸惑いました。プラテン印刷機とか、写真製版とか、ネガとか。検索すると当時の印刷機を説明したサイトとかもあって、素人ながら「へぇ~」と感心して読みました。グーテンベルクの活版印刷(でしたっけ?)の伝統は生きてたんですね~。当時、ユダヤ人の印刷工って実に高い技術を持っていたんだそうで、そこに目をつけるあたり、やはりナチだな~などと思ってしまいました。ブルガーさんは数年前に来日したそうで、語り部として後世に語り継ぐことを自らの使命としているんだそうです。奥様をアウシュヴィッツで亡くしておられるのですが・・・。監督は史実の再現にこだわったそうなので、恐らく使われている小道具も細部まで忠実に再現したのではないかと・・・。いやぁ~ 映画っていいですねー。
Commented by ありちゅん at 2011-03-21 10:57 x
☆raquelさん、コメントありがとうございます。ドイツでの報道はかなりシビアなものなので、そちらにいらっしゃるとお辛いでしょう・・・。被災地の状況は依然として深刻なのだそうですが、東京は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。raquelさんのご家族の方々はいかがでしたでしょうか。離れていらっしゃると心配も尽きないでしょうね。お察しいたします。この映画、ちょっと難しいところもありますが、細部までこだわって作られているので、映像で伝わってきます。是非ご覧になってみてくださいね~~!!!
by Alichen6 | 2011-03-19 09:55 | ドイツ映画 | Comments(6)

日本にいながらドイツする♪  ドイツ・ドイツ語・ドイツ映画を愛してやまない下っ端字幕ほにゃく犬「ありちゅん」が字幕ほにゃく見習い眉毛犬「Milka」と一緒に書く日記


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