German Film Days (ドイツ新作映画の上映会) その2
2010年 10月 19日
先日検索したときは公式HPも予告編もUPされていなかったのですが、今見てみましたら、できてました。公式HPは → コチラ
予告編もできたてのホヤホヤ ↓
ソフィー・ロイス、ゼバスティアン・シッパー、デーヴィット・シュトリーゾフ出演
アラフォー~アラフィフ世代の3人(キャリアウーマンの女性1人、男性2人)が織りなす人間模様~って感じでございます。題名どおり、モロ「三角関係」。20年間同棲を続け、お互いに束縛することなく好きに生きてきた男女。女性はテレビで活躍するキャリアウーマン、男性はオブジェなどを制作する会社の経営者。お互い、やりたいことはすべてやってきた、欲しいものもすべて手にしたという、誰もがうらやむ素敵なカップル。ところが男性に悪性腫瘍(コレが精巣のガンなんです… なんか男性にとってはトホホですよね)が発見され、ソク摘出手術に。「すき間風が吹く」ってほどでもないのですが、その頃から2人の関係が少しずつ微妙になっていきます。そんなときに現れたもう1人の魅力的な男性。彼の出現により、2人の感情にもそれぞれ変化が芽生えます(「それぞれ」というのがミソ)。そんな3人の関係を描いた作品。エンディングは、「ある意味ハッピーエンド」。
ティクヴァ監督らしく、画面の分割やら効果的な音の使い方やら、イロイロ冒険が見られました。コ、コ、コレはモザイク入れないと…という映像もちょくちょく出てきますが、不思議と淫靡な雰囲気などは皆無。女性がどちらかというと男勝りなタイプで、フェロモン系では決してないのが、理由の1つかも。また、男性2人がとても健康的な外見なので、これまた「倒錯した関係」や「タブーな関係」にありがちなあやしさ、いやらしさがゼロ。あえて視覚的「いやらしさ」を排除するための計算だったのかなーとも思えます。ヤバい関係を描いているのに、ヤバい雰囲気がない。別の監督だったら、あえてもっと猥褻でアングラな雰囲気を出していたのでは…などとイロイロ考えてしまいました。
テンポもよく、次から次へとイロイロ起きて話の展開が速いので見ていて飽きません。ぐいぐい引き込まれましたし、こういった三角関係って、実は人間なら誰でも潜在的に抱いている願望なのかなぁとも思わせてくれました。前作の「ザ・バンク」やその前の「パフューム」が、どちらかというと巨額の予算をかけた「娯楽超大作」っぽい雰囲気だったのですが、今回の「三角関係」は「ラン・ローラ・ラン」や「マリアの受難(←これをご覧になった方は、かなりのティクヴァ通!)」的な映画に回帰したように思えましたです。
<おまけ>
ガード下っぽい場所で、カリーヴルストを食べるシーンがありました。うまそ~~と、目が釘付け。